研究課題/領域番号 |
22K15686
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中村 吉秀 山口大学, 医学部, 助教(特命) (80933481)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ryanodine receptor / calmodulin / pulmonary hypertension / dantrolene / 肺高血圧症 / リアノジン受容体 / カルモジュリン / 肺動脈性肺高血圧症 / ダントロレン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)対してカルモジュリン(CaM)のリアノジン受容体(RyR2)への結合を薬理学的に強固にすることにより、RyR2の4量体構造を安定化させCa2+漏出を阻止し、右心不全への進展を抑制し予後を改善させるという新しい発想に基づいた治療法を確立することである。 i)モノクロタリン単回皮下注PAHモデルおよび肺動脈縮窄(PAB)モデルを作成し、ダントロレン慢性投与により右室の肥大・拡大は抑制されるか検討する。 さらにRyR2に対するCaM結合親和性を増強したknock-in(KI)ラットを用いて、右室肥大・拡大の抑制、生命予後の改善につながるかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、PAHに対して、心筋筋小胞体Ca2+放出チャネルであるリアノジン受容体(RyR2)の修飾蛋白であるカルモジュリン(CaM)のRyR2への結合を薬理学的に強固にすることにより、RyR2の4量体構造を安定化させCa2+漏出を阻止し、慢性的に圧負荷がかかる状況下でも右室肥大から右心不全への進展を抑制し予後を改善させるという全く新しい発想に基づいた治療法を確立することである。 結果:[MCT誘発性ラットモデル] モノクロタリンにてPAHモデルを作成し、ダントロレン慢性投与の効果を検証した。その結果、MCT群において収縮期圧が著明に増加したが、MCT-DAN群では若干低下し、DANが肺血管抵抗を低下させることが示唆された。MCT群では、右室の肥大・拡大を認め、さらに42日間で8割近くが肺高血圧、右心不全で死亡した。一方、DAN投与群では右室の肥大・拡大は抑制され、死亡率も著明に低下した。蛍光免疫染色法により、MCT群ではz-line上のCaMの減少(RyR2からのCaM解離)が示されたが、MCT-DAN群では抑制されていた。 [肺動脈縮窄ラットモデル] 純粋に右室の圧負荷が右室肥大・拡大、生命予後に及ぼすダントロレンの影響を評価する目的で、肺動脈縮窄モデルを作成した。右室収縮期圧はDAN慢性投与の有無に関わらずPABにより同程度まで上昇していたが、DAN慢性投与により右室の肥大・拡大は抑制され、右室心筋細胞サイズも縮小した。 [遺伝的CaM解離抑制ラットモデル] 独自に開発したRyR2に対するCaM結合親和性を増強したKIラット(RyR2 V3580K KIラット)を用いて、MCTモデルを作成した。その結果、このRyR2 V3580K KIラットはMCTに対する反応に個体差が大きくWT-rat1とKI-rat間で有意な差を認めることはできなかった。
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