研究課題/領域番号 |
22K15687
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
梶原 伸宏 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (80814756)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミトコンドリア由来活性酸素種 / 低血糖 / 糖尿病性腎症 / 脂肪酸酸化 / 腎糸球体毛細血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまで高血糖による糖尿病合併症発症仮説として「ミトコンドリア由来活性酸素種 (mtROS) 過剰産生」説を提唱してきたが、低血糖下では脂肪酸の酸化亢進を介してmtROSが発生し、血管内皮障害や糖尿病網膜症の発症・進展に寄与することを証明した 。 本研究では、糸球体由来の血管内皮細胞を用いて、急激な血糖是正や低血糖により誘導されたmtROSが糖尿病腎症の増悪に関与する可能性を検討し、さらに同現象をモデルマウスで実証する。低血糖時の脂肪酸酸化亢進を標的とした新規合併症治療法の開発を探索する新しいアプローチであり、本研究の果たす役割は非常に大きいと考えている。
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研究実績の概要 |
申請者らはこれまで高血糖による糖尿病合併症発症仮説として「ミトコンドリア由来活性酸素種 (mtROS) 過剰産生」説を提唱してきたが、低血糖下においても脂肪酸の酸化亢進を介してmtROSが発生し、血管内皮障害を誘導することを世界で初めて見出した。さらに、低血糖誘導によるmtROSが、糖尿病モデルマウスにおいて糖尿病網膜症の発症・進展に関与することを証明した。本研究では、糸球体由来の血管内皮細胞を用いて、急激な血糖是正や低血糖により誘導されたmtROSが糖尿病腎症の増悪に関与する可能性を検討し、同現象をモデルマウスで実証することを計画している。 当該年度では、本研究におけるin vitroの実験として、ヒト腎糸球体毛細血管内皮細胞 (HGMECs) における低グルコース刺激によるmtROS産生を検討した。mtROSは還元Mitotracker Redを用い共焦点レーザー顕微鏡により観察・検討を行った。a) HGMECs; 正常グルコース濃度 (5.5 mM) 培養群 (NG群)、b) HGMECs; 高グルコース濃度 (25 mM) 培養群 (HG群)、c) HGMECs; 高グルコース濃度培養 + 低グルコース濃度 (2.5 mM) 刺激群 (HG + LG stim群)の3群による検討では、HG群はNG群に比してMitotracker Redの蛍光強度増加を認め、HG + LG stim群ではHG群と同程度のMitotracker Redの蛍光強度増加を認めた。一方、本研究におけるin vivoの実験として、ストレプトゾトシンを用いて糖尿病モデルマウスを作成し、レギュラーインスリンの腹腔内投与による低血糖刺激を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度では、本研究におけるin vitroの実験として、HGMECsにおける低グルコース濃度刺激によるmtROSへの影響の検討を実施したが、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1 (CPT1) 阻害薬であるetomoxirを用いた脂肪酸酸化阻害による影響を検討できていない。CPT1を用いた脂肪酸酸化阻害による検討が実施できていない点が当初の研究計画よりも遅延しているため、早期に実施する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
細胞実験に関しては、研究計画書に基づき検討を進める予定である。一方、動物実験に関しては、糖尿病モデルマウスに対する低血糖刺激実験を施行している段階である。低血糖刺激終了後のマウス腎臓を免疫染色法にて検討することで、酸化ストレスマーカーを評価する予定である。
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