研究課題/領域番号 |
22K15693
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
滝沢 翼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30778874)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 頭痛 / 片頭痛 / 治療 / CGRP関連抗体薬 |
研究開始時の研究の概要 |
片頭痛の病態で重要なカルシトニン遺伝子関連ペプチド(Calcitonin gene-related peptide; CGRP)あるいはその受容体を標的とした抗体治療(CGRP関連抗体薬)が、わが国において2021年に新たに承認となった。 本研究では、CGRP関連抗体薬を含めた片頭痛の最新治療の実態を明らかにしつつ、今後に向けての新規治療についても検討する。
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研究実績の概要 |
慶應義塾大学病院頭痛外来に通院中の患者を対象とした臨床研究について引き続き取り組んだ。CGRP関連抗体薬の一つであるフレマネズマブが4本以上投与された片頭痛患者について効果と安全性を検討した。50%反応率は55%、100%反応率は10%であり、55%の患者で注射部位反応を認めていた(Ohtani S et al. BMC Neurology 2023)。また、主に「有効ではあるものの投与間隔の延長」を理由に抗CGRPリガンド抗体同士で変更(ガルカネズマブ→フレマネズマブ)した症例について検討し、変更後も効果が概ね維持されていることを明らかにした(Ihara K et al. Journal of the Neurological Sciences 2023)。 日本頭痛学会医師会員に頭痛診療およびCGRP関連抗体薬の使用実態、即ち導入基準、効果、問題点などについて調査を実施した。特に導入基準については、コストなどの影響からガイドラインの推奨(月間片頭痛日数≧4、従来の予防薬失敗数≧1)よりも厳しめに設定している医師が多いことが判明した(Takizawa T, Ihara K(Co-1st) et al. The Journal of Headache and Pain 2024)。 基礎研究に関しては、片頭痛の病態モデルである皮質拡延性脱分極(CSD)に対して、抗てんかん薬の及ぼす影響の検討を開始した。 その他、CGRPに関するReviewやEditorial(Takizawa T et al. Expert Opinion On Drug Metabolism & Toxicology 2023, Ihara K et al. Expert Opinion On Drug Metabolism & Toxicology 2024)等についても国内外の専門家と共に執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
CGRP関連抗体薬についてのリアルワールドエビデンスを複数、英文論文として報告することができた。また日本頭痛学会医師会員にご協力をいただき、日本全体のCGRP関連抗体薬の使用実態や頭痛診療について明らかにすることができた。当初の計画以上に進展していると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
CGRP関連抗体薬について、さらに新規を含めた頭痛の治療についても検討を進めていく予定である。
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