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ヒトiPS細胞を用いたDEPDC5遺伝子異常難治性てんかんの病因メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K15694
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52010:内科学一般関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

堀内 優奈  順天堂大学, 医療科学部, 助教 (20912900)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードてんかん / DEPDC5 / iPS細胞
研究開始時の研究の概要

てんかんは人口の約1-3%に発症し、発作時の自動車事故、転倒転落による外傷や突然死など、患者のみならず社会全体の問題となっている。イオンチャネルや神経伝達物質受容体を対象とする薬剤が主に治療に用いられるが、約30%の患者は薬剤抵抗性を示す。近年、新しく検出された成人性難治性てんかんの関連遺伝子にDEPDC5が挙げられる。DEPDC5は、イオンチャネルや受容体とは全く異なる因子であり、その病因メカニズムが不明なため薬剤の選択に難渋する。そこで、DEPDC5遺伝子変異を導入したヒトiPS由来神経細胞モデルを作成し、そのメカニズムを解明・検証し、最終的に難治性てんかん治療薬の開発に貢献したい。

研究実績の概要

DEPDC5は近年新しく検出された成人性薬剤抵抗性てんかんの関連遺伝子である。DEPDC5は従来てんかん遺伝子として知られてきたイオンチャネルや神経伝達物質受容体とは全く異なる因子であり、その病因メカニズムが不明なため薬剤の選択に難渋する。そこで、本研究ではDEPDC5遺伝子変異を導入したヒトiPS由来神経細胞モデルを作成し、そのてんかん発症メカニズムを解明・検証することを目的とした。
本研究においては、てんかん患者で検出されたDEPDC5遺伝子変異および臨床データの集積を行い、てんかんの分類や予後(再発の有無と程度)、脳波 (パターンと起源等)との関連について引き続き解析を進めている。また、CRISPR-Cas9法を用いて作製したDEPDC5ノックアウトヒトiPS細胞(heterologous)を神経細胞へと分化させ、カルシウムイメージング法にて機能評価を行ったところ、通常のヒトiPS細胞とは異なるパターンおよび頻度の自発発火が観察された。
今後はRNAシーケンスを用いて遺伝子発現解析を行うほか、パッチクランプ法などを用いて引き続き機能評価を行う。また、DEPDC5変異がどのような経路やタンパク質を介して細胞異常興奮を引き起こすのか、機序解明につながる経路の同定をWestern Blot法や免疫染色等を用いて目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた研究計画においては、(A)臨床データの集積と解析を2022年度-2023年度に、(B)ゲノム編集によるDEPDC5ノックアウト細胞作製と遺伝子発現解析を2022年度-2023年度に、(C)DEPDC5ノックアウト細胞における機能解析を2022年度-2024年度に行う予定であった。
(A)臨床データの集積と解析については、臨床データの集積を行い、てんかんの分類や予後、脳波との関連について一部解析を未だ継続して進めており、やや遅れている。
(B)ゲノム編集によるDEPDC5ノックアウト細胞作製と遺伝子発現解析については、ゲノム編集によるDEPDC5ノックアウト細胞を作製したが、遺伝子発現解析は進めている最中である。やや遅れていると言える。
(C)DEPDC5ノックアウト細胞における機能解析は、(B)で作製したDEPDC5ノックアウト細胞を神経細胞に分化させ機能評価をすでに行っており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

当初予定していた研究計画においては、(A)臨床データの集積と解析を2022年度-2023年度に、(B)ゲノム編集によるDEPDC5ノックアウト細胞作製と遺伝子発現解析を2022年度-2023年度に、(C)DEPDC5ノックアウト細胞における機能解析を2022年度-2024年度に行う予定である。
(A)臨床データの集積と解析については、2023年度に引き続き臨床データの集積を行い、てんかんの分類や予後、脳波との関連について一部解析を進めていく。
(B)ゲノム編集によるDEPDC5ノックアウト細胞作製と遺伝子発現解析については、ゲノム編集によるDEPDC5ノックアウト細胞の作製が2022年度に終了、2023年度にはDEPDC5ノックアウト細胞を神経細胞に分化させ、RNAシーケンスによる遺伝子発現解析を開始しており、2024年度には引き続き遺伝子発現解析を進めていく。
(C)DEPDC5ノックアウト細胞における機能解析は、2023年度に(B)で作製したDEPDC5ノックアウト細胞を神経細胞に分化させ、カルシウムイメージング法での機能評価を行った。引き続き2024年度は、パッチクランプ法を用いて機能評価を行うほか、DEPDC5変異がどのようにして細胞異常興奮を引き起こすのか、機序解明につながる経路の同定をWestern Blotや免疫染色等を用いて行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 薬剤抵抗性焦点性てんかん関連遺伝子であるDEPDC5のノックアウトは、ヒトiPS細胞由来神経細胞に異常なCa2+波を引き起こす2024

    • 著者名/発表者名
      堀内優奈,稲葉悠,半藤徹也,藍智彦,三井田孝
    • 学会等名
      第 101 回日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Knockout of DEPDC5, the gene associated with drug-resistant focal temporal epilepsy, causes abnormal Ca2+-waves in human iPS cell-induced neurons2024

    • 著者名/発表者名
      Yuna Horiuchi, Haruka Inaba, Tetsuya Hando, Tomohiko Ai, Takashi Miida
    • 学会等名
      the 2024 American Physiology Summit
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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