研究課題
若手研究
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は成人男性のみに発症する進行性の遺伝性神経筋疾患である。本研究課題では、in silico解析を活用してSBMAの骨格筋病態の解明を目指す。SBMA細胞モデルおよびマウスモデルを用いた既存の遺伝子発現解析の結果を利用して、骨格筋病態の改善が期待される候補薬をin silico解析により抽出し、SBMA細胞モデルやマウスモデルに投与して病態抑止効果を評価した上で、変化している分子シグナルに注目して骨格筋の分子病態を解明する。またパスウェイ解析ならびに薬剤データベースを用いて、候補薬の作用機序および他の組織への潜在的な効能について解析する。
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は成人男性のみに発症する進行性の遺伝性神経筋疾患である。本研究課題では、in silico解析を活用してSBMAの骨格筋病態の解明を目標とした。GEOで公開されている遺伝子発現解析情報を利用して、iPS細胞由来運動ニューロン、SBMAマウスモデル骨格筋およびSBMA筋細胞モデルにおいてコントロールと比較してFDR<0.1で2倍以上上昇もしくは0.5倍以下に低下している遺伝子を抽出した。その中で上位150位、下位150位の遺伝子をLibrary of Integrated Network-based Cellular Signatures(LINCS)データベースに入力して、SBMAの病態と負の相関を呈する遺伝子変化をもたらす薬剤およびその作用機序をそれぞれ抽出した。そして上記3つのSBMAモデルのデータにおいて共通して抽出された薬剤の作用機序を6つ同定した。データベースを参考にして、SBMA病態を改善すると期待される薬剤を8つ選定しSBMA筋細胞モデルに投与した。細胞のviabilityを測定したところ、うち3剤で濃度依存性に細胞のviablityが上昇することが確認された。さらに細胞毒性を測定したところ、うち2剤で細胞毒性の抑制効果をみとめた。これら2剤は既存薬でありドラッグリポジショニングの可能性が期待された。うち1剤の作用機序は、SBMAの既知の病態を標的としており今後SBMAマウスモデルに対する効果を確認していく予定である。
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