研究課題/領域番号 |
22K15708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 尚 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90849522)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | NETosis / 視神経脊髄炎 |
研究開始時の研究の概要 |
NMOSD患者由来cell-free DNAの由来として好中球や赤血球前駆細胞が優位に存在することから、cell-free DNAを始めとした自然免疫系の観点からみた、好中球や赤血球前駆細胞がNMOSDのIFN-signatureに与える影響を多面的に評価する。
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研究実績の概要 |
先行実験ではNMOSD患者血清では好中球由来のcell-free DNA濃度上昇を認めNETosisに着目し探索を行った。NMOSD患者血清で健常者好中球を刺激、NETosisを誘導し、固定せずにSYTOX-greenで染色、あるいはneutrophil elastaseを測定したところ、健常者血清で刺激した場合に比して、有意にNETosisが誘導された。患者血清由来のrecombinant AQP4抗体を健常者好中球で刺激した場合はNETosisは誘導されず、またAQP4を強制発現させたHEK細胞でNMOSD患者血清中のAQP4抗体を吸着した後の血清で健常者好中球をした場合NETosisの誘導能は維持されていた。これらのことからNMOSD患者血清のNETosis誘導能はAQP4抗体に依存しないことが判明した。またホスホジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモールはアデノシンの細胞外濃度を上昇させ、cAMPの分解を阻害することで過剰なNETosis誘導を制御することが報告されている。NMOSD患者血清にて刺激した健常者好中球をジピリダモールの存在下で培養を行った場合、Sytox green、Nuetrophil elastaseいずれでの評価においてもNETosisの誘導が阻害された。これらを踏まえて、NMOSD患者血清のNETOsis誘導能は、ホスホジエステラーゼ阻害により薬理学的な介入が可能であることが示唆された。 また、好中球に次ぐ、NMOSDのcell-free DNAの産生源として、赤血球前駆細胞も同定されており、NMOSDにおける赤血球とpathologyとの関連についても探索を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画に比べて、患者サンプルが蓄積されておらず、評価が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続きNETosis誘導能の探索を行う。既報によるとNMOSDにおけるNETosisの誘導因子のcandidateは数十種類以上あり、IFNsignatureが亢進している患者群を中心に、プロテオミクス解析等を行っていく。
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