研究課題/領域番号 |
22K15713
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉村 明子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任研究員 (00934407)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 遺伝性ニューロパチー / 網羅的遺伝子解析 / ターゲットパネル / 次世代シークエンサー / ターゲットパネル解析 / Charcot-Marie-Tooth 病 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性ニューロパチーの代表であるCharcot-Marie-Tooth病(CMT)は約2,500人に1人が発症する、臨床的、遺伝的に多様な遺伝性神経疾患である。本研究の目的はCMTの診断率の向上を目指して、網羅的遺伝子解析をより効率的に行うための改良を行う。具体的には、現行の72の対象遺伝子を再検討し、解析対象を拡大させた新しいターゲットパネル解析システムを構築することである。また、さらなる詳細な分子疫学データや遺伝子毎の臨床的遺伝学的特徴を明らかにし、CMT治療法開発のための基盤情報を構築する。
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研究実績の概要 |
(1)昨年度既にCharcot-Marie-Tooth病(CMT)及び遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー(HSAN)を含む遺伝性ニューロパチー103遺伝子を対象とした新規ターゲットパネルを構築した。構築したパネルを使用し全国から依頼のあった新規のCMT疑い症例をこれまで2年間でおよそ700例について解析を実施し、効率的に診断することができた。 (2)昨年度論文にて報告したRFC1リピート伸長異常については、HSAN症例の陽性率が高いことより、臨床的にHSANと診断された症例に関してはまずRFC1リピート伸長解析を実施してからパネルによる解析を実施しており、より診断を効率化することができている。その他のパネル解析陰性例については、RFC1やNOTCH2NLC、その他のOPDM関連遺伝子(LRP12, GIPC1, RILPL1) ついてもリピート伸長異常解析をRepeat-Primed PCRやLong-range PCR等により実施している。一部の検体についてはロングリードシークエンサーを使用してリピート数を計測するなど、リピート伸長異常を同定することができた。 (3)ターゲットパネル解析、リピート伸長解析、Exome解析の陰性例について、ロングリードシークエンサー(GridION)を使用した全ゲノム解析も数例ではあるが開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度構築したCMT及びHSANを含む遺伝性ニューロパチー103遺伝子を対象としたターゲットパネルを用いて、新規のCMT疑い症例をさらにおよそ300例の解析が継続して実施できており、順調である。 陰性症例についてリピート伸長解析も進め、RFC1リピート伸長やNOTCH2NLCリピート伸長をさらに同定した。またOPDM関連遺伝子についてのリピート伸長解析も実施し、現在論文投稿中である ターゲットパネル解析、リピート伸長解析、Exome解析の陰性例について、遺伝的要素が非常に高い症例を選別し、ロングリードシークエンサーを使用した全ゲノム解析も開始している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も新規CMT疑い症例およそ300例の解析を実施予定である。新規変異については、segregation解析やIn silico解析を進め、変異の病的意義を検証する。またリピート伸長異常については既知の遺伝子については、随時解析を実施する。ロングリードシークエンサーを用いてリピート数の計測や全ゲノム解析も実施していく予定である。 過去の解析データも含め、遺伝子毎の臨床的遺伝学的特徴を明らかにする。
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