研究課題
若手研究
パーキンソン病・本態性振戦・ジストニア性振戦それぞれにおいて,1年間に10~20例の組み入れを想定している.研究期間終了までに術前後の評価が終了した症例については,研究計画1(パーキンソン病・本態性振戦・ジストニア性振戦における振戦に関連する脳ネットワークの相互比較),研究計画2(加速度計および表面筋電図における診断マーカーの検討),研究計画3(FUSを施行するパーキンソン病・本態性振戦・ジストニア性振戦におけるQOL変化の解析)の全てについて解析を行い,術前のみの評価が終了した症例については研究計画2の解析を行う予定としている.
本態性振戦,本態性振戦プラス,ジストニア性振戦,パーキンソン病を対象に,9軸モーションセンサを用いて安静時,姿勢時,および運動時振戦を評価した.周波数,タスク毎の振戦の強さのパターン,振戦の規則性について,各疾患に特有のパターンが明らかになった.9軸モーションセンサは振戦性疾患の診断精度向上に有用であることが示唆された.本態性振戦患者と健常対照者を対象にした集束超音波治療前後の安静時機能的MRIの検討によって,小脳と視床の異常コネクターハブが特定された.本態性振戦の病態には運動ネットワークに加え,視覚フィードバックや認知機能の異常も関与していることが示唆された.
パーキンソン病・本態性振戦・ジストニア性振戦しばしば臨床的な鑑別が難しく,客観的な診断方法が求められている.9軸モーションセンサによる振戦解析はこの目的において有用と考えられた.パーキンソン病・本態性振戦・ジストニア性振戦における振戦の病態には小脳-視床-大脳皮質ネットワークや大脳基底核-視床-大脳皮質ネットワークの異常が指摘されているが,病態解明は不十分であった.今回の結果から,本態性振戦における運動ネットワークだけに留まらないより高次なレベルでのネットワーク異常の存在が示唆された.ジストニア性振戦,パーキンソン病も含めた疾患横断的な検討への足がかりとなることが期待される.
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Neurologia medico-chirurgica
巻: 64 号: 4 ページ: 137-146
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Parkinsonism & Related Disorders
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