研究課題/領域番号 |
22K15736
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森本 悟 慶應義塾大学, 殿町先端研究教育連携スクエア, 特任准教授 (00816952)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ALS / 運動ニューロン / ドパミンD2受容体 / Gタンパク質 / アデノシンA2A受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では“ヒト運動ニューロンにおけるドパミンD2受容体(D2R)の役割”に着目し、“筋萎縮性側索硬化症(ALS)病態”および“Ropiniroleの作用メカニズム”について、“Gs/Giバランス”の観点から明らかにすることを目的とする。すなわち、ALS患者iPS細胞由来運動ニューロンモデルを用いて、ALSにおいて病態のコアとなる”運動ニューロンの細胞興奮毒性”および“リン酸化TDP-43の蓄積”について、Gs/Giバランスの破綻が鍵となっているという仮説を検証し、Gs/Giリバランスによる病態修復を行う薬剤の同定を試みる。
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研究実績の概要 |
今年度の研究実施計画:健常者およびALS患者由来脊髄運動ニューロンにおけるGs/Giバランスとリン酸化カスケード:健常者ならびにALS患者由来脊髄運動ニューロンの定常状態において、イムノブロットおよび各種リン酸化モチーフ抗体を用いて、リン酸化シグナル伝達活性の評価を行う。
今年度の研究実績:健常者iPS細胞にALS/FTD患者(FTD:前頭側頭型認知症)にみられるTARDBP遺伝子変異(TARDBP:TDP-43タンパク質をコードする遺伝子)をヘテロ接合体およびホモ接合体で導入したisogenic株について、脊髄運動ニューロンに分化させた。その後、イムノブロットおよび各種リン酸化モチーフ抗体を用いて、リン酸化シグナル伝達活性を評価したところ、主要なキナーゼを検出することに成功した。また、TARDBP遺伝子変異の有無では、明らかなキナーゼの発現量に差はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の第2ステップである、”健常者ならびにALS患者由来脊髄運動ニューロンの定常状態において、イムノブロットおよび各種リン酸化モチーフ抗体を用いて、リン酸化シグナル伝達活性の評価を行う”ことができ、誘導系・評価系のfeasibilityを確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度までで確立した”運動ニューロンの誘導系”および”リン酸化シグナル伝達活性の評価系”を用いて、D2RおよびA2AR刺激による運動ニューロンへの影響を調べる。具体的には、作製したヒト運動ニューロンに、受容体の発現が確認できているropinirole hydrochlorideなどのD2R agonist、あるいはCGS21680 hydrochlorideなどのA2AR agonistを用いて受容体-Gs/Gi刺激を行うことで、PKAのリン酸化標的であるGluR1(Roche KW, et al. Neuron 1996)のリン酸化状態を指標として、各agonistによるリン酸化シグナル修飾効果を確認する。
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