研究課題/領域番号 |
22K15749
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鶴身 孝介 京都大学, 医学研究科, 助教 (20760854)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 神経科学 / ギャンブル障害 / 依存症 / 嗜癖 / 行動嗜癖 / MRI / 脳画像 / 治療経過 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
ギャンブル障害患者の外来治療継続率は低く、その臨床経過の神経基盤や遺伝子多型の影響を検討した研究はまだない。ギャンブル障害外来治療プログラム参加初期患者の脳画像・心理検査・血液データを取得し、プログラム参加継続群と中断群で比較し、参加継続を予測する神経基盤を同定する。また、継続群については6カ月後のデータも取得し、初期データと比較して参加継続に伴う変化を明らかにする。さらに、遺伝子多型のこれらの神経基盤や心理検査データとの関連も明らかにする。
|
研究実績の概要 |
ギャンブル障害 (Gambling Disorder: GD) 患者群及び健常対照群のリクルートを行った。各被験者に対し、心理学的検査、行動経済学を取り入れた行動実験を行った。続いて、大学設置のMRI装置にてT1強調3D画像、拡散テンソル画像、および行動経済学課題を用いた脳機能画像、安静時の脳機能画像を撮影した。 データ収集の初期段階ということもあり、直接的な成果はまだ出ていない。しかし、データ収集を加速させるため2023年4月よりギャンブル障害の外来治療プログラムを行える体制を研究代表者の所属する京都大学医学部附属病院において整えている。また、関連する成果としてインドネシア大学と解析支援という形で関わった問題インターネット使用者の安静時脳機能結合を検討した国際共同研究が国際誌に受理されている。他に本研究計画の被験者が十分集まり結果が出た際に、その結果の解釈に影響を与えうる成果も国際誌へと投稿準備中である。これはギャンブル障害患者の予後をADHD併存の有無で比較した臨床研究であり、予測とは異なりADHD併存群の方が良好な予後を示した。 また、これまでの研究成果を交えて学会シンポジウムに登壇し講演している。一方で、一般向けのWebを介した講演も行うなどアウトリーチにも尽力した。さらに、これまでの大学病院におけるアディクション研究・臨床・教育の知見を総合して、大学におけるアディクション研究に一石を投じるシンポジウムをアディクション専門の学会にて企画し、そこで出た意見を集約した知見をより幅広い層を対象とした学会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一旦収束するかに見えた新型コロナウイルス流行が遷延し、その対策に多くの労力を割かれることとなった。さらに、本学の指針が厳格であったため、被験者リクルートの推進に困難をきたし、既存のデータ整理などが業務の中心となり、研究遂行にやや遅延を来たした。また、これまで指導していた大学院生、研究員らの異動時期も重なり、新たな院生を一から指導して新たな研究体制を構築したことも遅延に影響したと考えられる。一方で、技術供与した国際共同研究の成果を英語論文化することに成功した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究代表者の所属先においても新たにギャンブル障害外来治療プログラムを開始することにより、やや遅れが生じているデータ取得を推進し、得られたデータを解析する。その結果をまとめて、予備的な成果の発表を目指す。
|