研究課題/領域番号 |
22K15750
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江口 典臣 神戸大学, インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター, 助教 (80814566)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ADHD / 幹細胞 / グリア細胞 / アストロサイト / ドーパミン神経 / オルガノイド / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ADHDの病態解明と更なる有効な治療法の開発を目指し、ADHD患者に由来するiPS細胞から神経細胞を得る実験を行う。ADHD治療薬がドーパミン神経に作用することに注目し、iPS細胞からドーパミン神経を得、実験に用いる。更に、近年神経機能への関与が知られているグリア細胞にも注目し、ドーパミン神経とグリア細胞からなる微小環境をiPS細胞を用い実験的に再現し、その形態、機能や治療薬への反応性を解析する。本研究の成果は、未だ不明であるADHDの病態や治療薬の作用機序を明らかにし、更なる治療法の開発を促進するものと期待される。
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研究実績の概要 |
前研究課題(課題番号:18K15516)から引き続き大脳オルガノイドを分化誘導する実験を行っており、その成果の一部を利用した研究成果を2023年1月に論文に発表した(Danmeng, Eguchi et al. Stem cell reviews and reports 2023)。これはADHD患者由来のiPS細胞から大脳オルガノイドを分化誘導し、その形態的な解析を行うことで、ADHD患者では大脳皮質の発生における細胞増殖、神経細胞への分化に変化を生じていることを示唆する内容であり、それ以前に報告のない先駆的な内容であった。 2023年4月に神戸大学医学研究科 精神医学分野を異動になり、神戸大学 インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター 保健管理部門の所属となった。研究の場は神戸大学医学研究科 生理学分野に移した。異動に伴い、ADHD患者由来のiPS細胞を用いた研究は中止となった。研究の対象を、ADHDと同じく神経発達症である自閉スペクトラム症(ASD)のモデルである、1q21.1染色体異常を持つES細胞に移し、神経発達症における発生異常の解析と、グリア細胞と神経細胞の関連、神経回路の解析を行う方針とした。 まず、ES細胞を用い、大脳皮質オルガノイドに分化誘導する再現実験を行った。昨年度まで用いていたiPS細胞よりも分化効率が悪く、特に1か月を超える長期間の培養は困難であった。大脳皮質オルガノイドを2~3か月の長期間培養し、組織中に誘導されると考えられるアストロサイトの観察を行う予定であったが、まだ達成されていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
異動に伴い実験対象とする細胞を変えたことで、再度実験条件の検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
3次元的な分化誘導について実験条件を検討してきたが、並行して2次元的な神経細胞、グリア細胞の分化誘導についても先行研究を参考に実験を行い、条件を検討する必要がある。3次元的な大脳オルガノイド中に誘導されるアストロサイトの観察、2次元的なアストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアの分化誘導、さらにそれらグリア細胞と神経細胞からなる神経回路の再現を目指す。
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