研究課題/領域番号 |
22K15753
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
原田 朋子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10779432)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 神経性やせ症 / 低血糖 / 認知機能 / 摂食障害 |
研究開始時の研究の概要 |
神経性やせ症の死亡率は精神疾患の中で最も高い。その理由の一つが、重症低血糖である。神経性やせ症患者の血糖値は、重度の低栄養状態のため低くなっていることが多い。通常は低血糖になれば、イライラや冷や汗などの症状が出て、低血糖を自覚し、自ら対処することが可能となる。しかし、低血糖に慣れてしまうとそれらの症状が出にくくなるため、神経性やせ症患者は突然重症な低血糖状態になり生命に関わることがある。本研究の目的は、神経性やせ症患者の重症低血糖のリスク因子を明らかにすることである。また、重症低血糖が認知機能とも関連があることが示唆されているため、それついても合わせて検討する。
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研究実績の概要 |
神経性やせ症(Anorexia Nervosa; AN)患者の死亡率は精神疾患の中で最も高い。その理由の一つに重症低血糖がある。AN患者の血糖値は、重度の低栄養状態を反映して慢性的に低いことが多いが、低血糖の状態に慣れており、一般的に生じうる低血糖による嘔気、発汗、動悸、イライラなどの自覚症状を感じにくい。自覚症状は低血糖を避けるための「危険信号」であり、それにより糖分を摂取するなどして低血糖を改善するための行動を起こさせる。食事を管理している入院環境下でもAN患者の無症状の低血糖は散見されるが、食事の管理ができていない自宅で、AN患者の血糖値がどのように変化しているかは明らかにはされていない。このため重症低血糖のリスク因子についての知見は乏しい。また、糖尿病の薬剤性重症低血糖や内因性高インスリン血症による重症低血糖が認知機能障害を引き起こすことが報告されているが、AN患者の低血糖が認知面にどのような影響を与えているのかは明らかではない。 本研究の目的は、外来AN患者を対象に重症低血糖のリスク因子を明らかにすること、および低血糖症と認知機能との関連を明らかにすることである。方法としては、外来AN患者の持続的な血糖変動と生活状況の関連を詳細に観察することで、重症低血糖とそのリスク因子について検討する。また低血糖と認知機能(セントラルコヒアランスの脆弱性、セットシフティングの障害)の関連について検討する。 これまでの観察では、外来の血液検査での随時血糖値は、例え食後2時間以内であっても基準値よりも低い場合が散見されていた。引き続き、自宅での食事量や食事摂取の仕方と持続血糖変動、および認知機能との関連について検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知機能検査など心理検査を行う要員が不足したために、研究参加者を十分募集できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
対象となる患者数は見込まれているため、引き続き研究参加者を募集して遂行する。
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