研究課題/領域番号 |
22K15755
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
櫻井 準 杏林大学, 医学部, 講師 (40573267)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 治療抵抗性うつ病 / ケタミン / 実行可能性調査 / メタボローム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ケタミンは2000年に抗うつ作用を有することが報告されて以来、従来の抗うつ薬で反応しなかった治療抵抗性うつ病患者を改善させる治療薬として注目されている。米国では、初期治療として2-3週間で合計4-6回投与した後、維持期治療として症状が悪化した時に投与する。しかし「どのような患者が初期治療で改善するか」や「それぞれの患者が維持期の中でいつ頃悪化するか」を明確に予測する因子はない。本研究では、メタボローム解析という、生体内のアミノ酸、ヌクレオチド、糖、脂質などを網羅的に解析する手法を用いて、ケタミン初期治療期間の代謝物質の変化を網羅的に観察し、効果を予測するバイオマーカーを同定する。
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研究実績の概要 |
本研究では、治療抵抗性うつ病の外来患者を対象としてケタミンを2週間で4回投与した。合わせてメタボローム解析でケタミン投与前後の代謝物質の変化を解析し、ケタミン治療の効果を予測するバイオマーカーを探索する予定である。2022年6月から研究参加者の募集を開始し、実施予定症例数30例に対し、40例から参加に関する同意を取得した。同意後に選択基準や除外基準を満たさない症例や同意を撤回した症例があり、30例にケタミン投与を実施して、2023年12月1日に 参加募集を終了した。 実施症例30例の全例、規定された4回のケタミン投与を完遂した。効果および有害事象の細かな解析は行っていないが、ケタミン投与期間中に研究を中断するほどの重大な合併症は生じなかった。2024年4月18日時点で、13名がケタミン投与後12ヶ月間のフォローアップを完了した。7名が現在フォロー中(4ヶ月評価後1名、5ヶ月評価後2名、7ヶ月評価後1名、8ヶ月評価後1名、9ヶ月評価後1名、11ヶ月評価後1名)であり、10名が12ヶ月間の途中でフォローアップを中断した。中断した10名のうち、6名が追跡不能、1名が同意撤回、3名がプロトコル逸脱だった。 また、うつ病や精神薬理などに関する国際/国内学術集会で、ケタミン治療のリスク・ベネフィットや、近年欧米で適応が通ったケタミン類似薬、治療抵抗性うつ病に対して効果的な治療について、発表を行った。これらは、本研究の結果を適切に評価および発信するために重要であり、また、研究参加者を集めるために潜在的に役立ったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施予定症例数である30例を全数組み込み、規定された4回のケタミン投与を完遂した。13例は最終評価である12ヶ月後評価を終え、10例はフォローアップの途中で脱落した。残り7名の12ヶ月フォローが終われば研究は終了となる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度1年間で、フォローを終えて結果を解析する。
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