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慢性炎症に着眼した治療抵抗性統合失調症の新規治療予測マーカーの確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K15771
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

西紋 昌平  順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00464925)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード統合失調症 / クロザピン / 神経炎症
研究開始時の研究の概要

申請者は「統合失調症の神経炎症仮説に基づいたバイオマーカーの検出」に着目し、先行研究で、急性期統合失調症の治療開始時の血清可溶性腫瘍壊死因子レセプター1(sTNF-R1)が健常者に比べて有意に上昇していること、さらには血清sTNF-R1の高値は統合失調症の治療反応不良群を予測するバイオマーカーになりうる可能性を確認した(Nishimon, S. et al., 2017)。この結果を踏まえ、「治療抵抗性統合失調症では慢性炎症が存在し、その中でもさらに血清sTNF-R1とそれに相関性を示すsTNF-R2の高値はクロザピン抵抗性統合失調症の炎症病態を反映するバイオマーカーになりうる」という仮説を立て、その実証に向けて横断研究を実施する。

研究実績の概要

治療抵抗性統合失調症と診断され、クロザピン投与量が固定化し2週間以上経過した患者を対象にPANSS60≦治療反応群、それ以外を非反応群とした。血漿クロザピン濃度並びに血漿N-デスメチルクロザピン濃度、血清sTNF-R1濃度並びに血清sTNF-R2濃度を測定し、治療反応群と非反応群の比較及び患者背景について検討した。
二群間比較では血漿クロザピン及びN-メチルデスクロザピン濃度、血清sTNF-R1及びsTNF-R2濃度のいずれも有意差は認めなかった。一方で血清sTNF-R1濃度と罹病期間及びクロザピン導入年齢に関連性がみられ、血清sTNF-R1濃度を従属変数とした重回帰分析では罹病期間が有意に影響を与えていた。
以上より、横断的には血清sTNF-R1及びsTNF-R2は治療抵抗性統合失調症における重症度を反映するバイオマーカーとはいえないが、本研究では”真の”治療抵抗性統合失調症であるクロザピン治療脱落群を含んでいないため、次年度はその群の解析を進めていく。一方で罹病期間が長いほど血清sTNF-R1濃度が高値となっており、長期間の罹病によるストレスが何らかの炎症を惹起している可能性を考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例は順調にエントリーされている。今年度は第33回日本精神神経薬理学会及び第53回日本神経精神薬理学会にて経過を報告した。

今後の研究の推進方策

クロザピン導入前の血清sTNF-R1及びsTNF-R2を測定し、治療反応と炎症性マーカーの関連性について縦断研究を行う。また”真の”治療抵抗性統合失調症であるクロザピン治療脱落群についても同様に炎症性マーカーを測定し、特徴的な神経炎症病態を明らかにしたい。その成果を学術集会で発表する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] クロザピン治療抵抗性統合失調症における炎症性マーカーの測定意義2023

    • 著者名/発表者名
      廣瀬仁樹、西紋昌平、前嶋仁、馬場元、鈴木利人
    • 学会等名
      第33回日本臨床精神神経薬理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] クロザピン治療抵抗性統合失調症における炎症性マーカーの測定意義2023

    • 著者名/発表者名
      廣瀬仁樹、西紋昌平、前嶋仁、馬場元、鈴木利人
    • 学会等名
      第53回日本神経精神薬理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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