研究課題/領域番号 |
22K15773
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石井 洵平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60814100)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | うつ病 / リカバリー / REST / 血中バイオマーカー / 海馬体積 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病患者の約75%は再発や慢性化を来たし、「回復(リカバリー)」に至らないことが知られている。残遺症状や薬物治療反応性に関する客観的指標が開発されれば、最適な治療法の選択により回復に至る患者を増やすことが出来る。 近年、ストレスに関連した神経保護因子として遺伝子サイレンシング転写因子(REST)が注目され、うつ病患者の末梢血細胞でREST発現が低下することが報告されている。また、うつ病患者では海馬神経障害により海馬体積が減少することが知られている。 本研究ではうつ病の病態におけるRESTと海馬体積の変化を解明し、うつ病の「回復」「非回復」を判定する血液バイオマーカー開発の手がかりを得る。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、遺伝子サイレンシング転写因子(REST)のうつ病のstate marker(層別化マーカー)としての検証を行った。 2022年度には、東京慈恵会医科大学附属病院に通院中の大うつ病性障害患者(20歳以上65歳未満)のうち20名および健常ボランティア20名より本研究参加への同意を取得した。うつ病患者および健常ボランティア各20名より、静脈血採血による約10mlの全血を得たのち、同大学精神医学講座のウエットラボにて、血液検体を4℃,3000回転/分,15分間の遠心分離を行い、ELISA法により血中REST濃度を測定した。得られた血漿は検体保管用チューブに分注し、ディープフリーザーにて‐80℃で凍結保存した。 健常ボランティア群では同条件にて1週間の期間を空けて計2回の測定を行い、1回目と2回目の測定値の平均を用いて解析を行った。その結果、健常ボランティア群のREST濃度は平均62.39±86.8pg/ml、うつ病患者群のREST濃度は平均74.24±111.8pg/mlであった。両群間の差をt検定を用いて比較したが、有意な差は認めなかった(t=-0.35, p=0.73)。 1回目と2回目の測定結果にばらつきが大きく、特に測定値が低い被検者においてその傾向が顕著に認められたことから、測定の再現性に問題がある可能性が考えられた。よって、次年度は測定再現性について再検討を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常ボランティア20名およびうつ病患者20名より研究参加への同意が得られ、血液検体より血中REST濃度の測定および解析を行うことが出来たため。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は頭部MRI検査による海馬の体積測定を行い、REST値と海馬体積の関係についての解析を行う。さらに、うつ病患者を24週間追跡し、回復群および非回復群に分類することで、RESTの予後予測マーカーとしての検証を行う予定である。
|