研究課題/領域番号 |
22K15779
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
坂本 由唯 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60770386)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コロナ禍 / メンタルヘルス / ひとり親 / 貧困 / ゲーム / 動画 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス禍が子どものメンタルヘルスにも影響を与えていると世界各国から報告されている。しかし、子どもは言語表現が未熟なため、親や教師が子どものメンタルヘルスの問題を把握するのは容易ではない。また、マスク着用や休校措置等の感染予防策が子どもの言語や社会性の発達を妨げる可能性が懸念され始めたが、検証は不十分である。本研究は、コロナ禍が子どものメンタルヘルスに与える影響とそのリスク因子、言語及び社会性の発達に与える影響を明らかにし、子どものメンタルヘルスや言語・社会性の発達の問題に対する早期介入を促進することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2022年度は新型コロナウイルス禍における子どもたちの動画視聴時間やゲーム時間の変化とメンタルヘルスとの関連を調査した。2023年度は新型コロナウイルス禍における経済状況と子どものメンタルヘルスについて調査した。2021年5月から2022年6月の間に弘前市5歳児発達健診を受けた児のうち、保護者から同意が得られた5歳児869名を対象とした。全体では世帯年収が200万未満の世帯は6.1%、200万~400万未満の世帯は22.6%であったが、ひとり親世帯においては世帯年収が200万未満の世帯は60%、 200万~400万未満の世帯は30%を占めた。また、感染拡大が家庭に与えた経済的問題の大きさについて、「非常に」大きな問題があったと答えたのは、年収200万未満の世帯の17.0%、200万~400万未満の世帯の9.2%を占めた。Spearmanの順位相関分析の結果、世帯年収と経済的影響の大きさとの間に負の相関(ρ=-0.244)が認められた。カイ二乗検定の結果、経済的影響が大きかった群(ある程度、とても、非常に)では、経済的影響が小さかった群(全くない、少ない)と比較して、家族や友人の感染を心配する児(とても・激しく)が有意に多かった(p<0.001)。経済状況を評価するには世帯年収のみならず家族構成人数なども考慮する必要があるが、本調査から世帯年収が低い家庭ほどコロナ禍の影響を大きく受けており、コロナ禍において弘前市の多くのひとり親家庭が貧困状態にあった可能性が示唆された。経済的影響を大きく受けた家庭では子どもがより家族や友人の感染を心配するなど、経済状況によって子どもの言動が変化する可能性が示唆された。子どものメンタルヘルスを評価し支援する際は、家庭の経済状況も考慮する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3歳児健診と5歳児健診の結果を結び付け、コロナ禍前、コロナ禍中、コロナ禍後に成長した児を比較し、コロナ禍が子どもたちの発達に与えた影響を調査する計画だが、健診結果の結合作業に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
3歳児健診と5歳児健診の結果を結び付け、コロナ禍前、コロナ禍中、コロナ禍後に成長した児を比較し、コロナ禍が子どもたちの発達に与えた影響を調査する計画する。
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