研究課題/領域番号 |
22K15782
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
岩田 祐輔 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00594772)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 統合失調症 / グルタミン酸 / グルタチオン / クロザピン |
研究開始時の研究の概要 |
クロザピンは治療抵抗性統合失調症に唯一効果のある薬剤だが、約半数の患者は治療に反応しない。ルタミン酸神経が新たな治療標的として期待されている。 安息香酸ナトリウムはグルタミン酸系作動薬であり、クロザピン抵抗性統合失調症に対する治療効果が報告されているが詳細な作用機序は不明のまま である。本研究はクロザピン抵抗性統合失調症患者において、安息香酸ナトリウム による治療前後に、脳内グルタミン酸とグルタチオン濃度を測定し、安息 香酸ナトリウムの脳内グルタミン酸濃度とグルタチオン濃度への影響、症状が改善する患者の特徴を明らかにする。
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研究実績の概要 |
統合失調症の約3割の患者は抗精神病薬による治療に反応しない。これらの患者は抵抗性統合失調症に分類される。治療抵抗性統合失調症に唯一効果のある抗精神病薬としてクロザピンが挙げられるが、約半数の患者はクロザピンにも反応しない超治療抵抗性統合失調症に分類される。これらの患者では治療反応例と比較してドパミン機能が亢進していないことに加えて、脳内グルタミン酸の異常が繰り返し報告されており、グルタミン酸仮説に基づいた治療介入が検討されてきた。安息香酸はD-アミノ酸分解酵素(DAAO)阻害作用を持つグルタミン酸系作動薬であり、治療抵抗性統合失調症に対する治療効果が報告されている。その仮定される作用機序は、1)DAAO阻害によりD-セリン濃度を上昇させ、グリシン調節部位を介したNMDA受容体機能の増強作用、2)活性酸素(H2O2)の減少作用が挙げられる。しかし、過去の研究では脳内グルタミン酸濃度や抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)濃度への影響は検討されていない。本研究の目的は、安息香酸投与前後に、1H-MRSを用いて、脳内グルタミン酸とGSH濃度を測定し、1)安息香酸の脳内グルタミン酸とGSHの濃度への影響、2)安息香酸により症状が改善する患者の生物学的特徴を明らかにすることである。本研究のリクルート対象はクロザピン抵抗性である超治療抵抗性統合失調症であり、患者リクルートやアセスメント、ドロップアウト率の低下など研究プロトコールの作成が非常に肝要である。本年度は研究計画を作成し、倫理委員会への提出を準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の対象者はクロザピン抵抗性である超治療抵抗性統合失調症であり、リクルートが非常に困難である。 研究完遂のために患者リクルート方法やアセスメントの内容など、ドロップアウト率の低下を考慮した研究プロトコールの作成が非常に肝要である。そのため、プロトコールの作成や推敲に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会を通過し、患者リクルートを開始する。 リクルートが困難な患者群であるため、患者リクルートの協力体制を近隣病院と構築していく。
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