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概日リズム指標から同定された「双極性要素」に基づくうつ病治療の層別化の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K15792
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関杏林大学

研究代表者

坪井 貴嗣  杏林大学, 医学部, 准教授 (00445404)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードうつ病 / 双極性障害 / 躁的因子 / 難治性うつ病 / 概日リズム指標 / 双極性要素
研究開始時の研究の概要

研究の概要としては、まず初めに横断研究にて難治性うつ状態の検査入院患者に概日リズム指標を測定し、その後の双極性障害診断の予測妥当性について検証を行う。次にうつ病患者に前向き観察研究を行い、概日リズム指標に基づき双極性要素群と非双極性要素群に分類し、傾向スコア分析を用いて二群間の患者背景をマッチングさせた上で、両群における薬物療法の治療反応性を比較し、うつ病患者の層別化を検討する。

研究実績の概要

うつ病患者の約1/3が現在のスタンダードな治療を行ったとしても難治性うつ病に移行することが報告されている。その理由の一つとして、うつ病患者の中には躁的因子を有するものの、明確な躁病エピソードがない為に操作的診断基準でうつ病と診断され、抗うつ薬を中心とした加療に奏効しない患者が存在することが指摘されている。躁的因子にはうつ病エピソードの若年発症、双極症の家族歴、病前性格としての発揚気質や循環気質、混合性の特徴、非定型の特徴などが挙げられ、実臨床上もこのような躁的因子を有するうつ病患者に対して将来への双極症への移行を想定して適応外使用ではあるが気分安定薬や抗精神病薬で加療し治療がすることをしばしば経験する。本邦のうつ病治療ガイドライン第2版では躁的因子を有するうつ病患者の治療については、双極性うつ病の可能性に配慮する必要があると記載されているのみでその治療法についての記載はない。海外の混合性の特徴を伴ううつ病へのガイドラインではその治療法に関しては抗うつ薬ではなく双極性うつ病に準じた抗精神病薬や気分安定薬等による治療が望ましいと言及されているがエビデンスは十分ではない。
そこで我々は、まず本邦での現状把握のために、双極性うつ病に準ずる治療にて長期安定に至るうつ病患者が存在することを明らかにし、さらにその集団の躁的因子と治療内容との関係性を評価するための横断的な調査を行った。具体的には、主たる薬剤が過去6ヶ月以上変更されていないうつ病患者を長期安定患者と定義し、110名の患者が組み入れられた。抗うつ薬単剤群と抗精神病薬・気分安定薬群の2群に分け、さらに躁的因子を定量化する指標であるBipolarity Index (BI)で評価した。そしてこの2群間における処方薬剤とBIの関係について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

双極性要素の一方である躁的因子についての調査は組み入れが完了し、現在解析を行い近日国際学会で発表予定とともに英語論文執筆にも取り掛かっている。ただ、双極性要素のもう一方である概日リズム指標であるが、難治性うつ病の患者を対象に考えていたためにリクルートが少し遅れている。ただし、解析にたえうる最低症例数は確保されており、こちらも概ね順調に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

上記進捗状況の理由にも記載したが、躁的因子の調査に関する国際学会発表は応募済であり、現在同時に英語論文執筆を行っており、今年度中に投稿と受理を目指したい。そして概日リズム指標に関しては、難治性うつ病という病態の異質性・多様性だけでなく概日リズムの個人差も大きいと考えられるため優位な所見が得られるかわからないが、引き続き調査を進め、今年度中に何らかの結果公表が行えるよう努めたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] むしろ抗うつ薬開始を躊躇すべき状態、病気2023

    • 著者名/発表者名
      丸木拓,松本泰幸,坪井貴嗣
    • 雑誌名

      月刊薬事

      巻: 65 ページ: 922-926

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 気分障害患者の抑うつ症状・躁症状・副作用に関する評価尺度の有用性とその活用2023

    • 著者名/発表者名
      渡邊雅子,松本泰幸,坪井貴嗣
    • 雑誌名

      臨床精神医学

      巻: 52 ページ: 1169-1176

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] うつ病の負担軽減のために当事者が求めること、考えていること2023

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第20回日本うつ病学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 薬物療法を含むうつ病治療と就労から見たリカバリー2023

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第20回日本うつ病学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 異質性・多様性に富むうつ病当事者をどう支援していくべきか2023

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第35回東京精神科病院協会学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 気分障害の寛解、そしてリカバリー2023

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第41回日本社会精神医学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] うつ病と双極性障害をいつどのように見分けるか2022

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第14回日本不安症学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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