研究課題/領域番号 |
22K15793
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
谷 英明 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (30570907)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 治療抵抗性うつ病 / AMPA受容体 / PET |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病は機能の障害や生活の質の損失と直結するが、うつ病患者の約3割は、既存の抗うつ薬が効かない「治療抵抗性うつ病」とされ、その病態の解明と治療法の開発が待たれている。 申請者らは、これまでの研究で、うつ病とも関係する「情動処理の過程」に寄与すると想定される分子の「AMPA型グルタミン酸受容体」を標識するPET検査薬剤 [11C]K-2を開発した。 本研究では、治療抵抗性うつ病患者と非治療抵抗性うつ病患者を対象に、AMPA-PET検査を実施して治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤を明らかにする。そして、本研究で検出された生物学的異常を標的として、治療抵抗性うつ病の新たな治療法の開発につなげる。
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研究実績の概要 |
うつ病は機能障害や生活の質の損失と直結するが、うつ病患者の約3割は、既存のモノアミン系の抗うつ薬が効かない「治療抵抗性うつ病」とされ、その病態の解明と治療法の開発が課題となっている。そこで本課題では、治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤の探索を目的とした。非モノアミン系の分子が寄与していると仮説をたて、なかでも興奮性神経伝達を主に担っているグルタミン酸受容体のα-Amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid (AMPA)受容体に注目した。本研究では、治療抵抗性うつ病患者と非治療抵抗性うつ病患者を対象に、AMPA受容体を標識する新規PETトレーサーの[11C]K-2を用いてPET検査を実施し、治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤の同定を試みる。またグルタミン酸濃度や構造的・機能的結合性の観点からも治療抵抗性うつ病の生物学的な特徴を解明する。 本課題では、20歳以上59歳以下の男女の治療抵抗性うつ病患者30名および非治療抵抗性うつ病患者30名を対象とし、現在の抑うつエピソードに対して抗うつ薬を2種類以上、承認用量で6週間以上使用しても反応が不十分であり、かつ、中等症以上のうつ症状を認める症例を対象としている。本年度は被験者の組み入れと撮像を行い、予定していた研究対象者の撮像を行うことができた。また、グルタミン酸を切り口として、治療抵抗性うつ病患者における病態生理・治療反応性に関する先行研究を精査するとともに、予備解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度末の時点で非治療抵抗性うつ病患者30例と治療抵抗性うつ病30例の撮像が完了し、予備解析を進めており、順調に進捗していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
非治療抵抗性うつ病患者と治療抵抗性うつ病患者の画像解析を実施して比較し、治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤を探索する。具体的にはAMPA受容体に着目し、治療抵抗性うつ病患者と非治療抵抗性うつ病患者でAMPA受容体の集積に差異がある脳部位を明らかにする。また、うつ病重症度とAMPA受容体密度との相関解析も行う。さらにマルチモーダルMRIの各指標との関連を検討する。
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