研究課題/領域番号 |
22K15808
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
亀澤 秀美 帝京大学, 福岡医療技術学部, 准教授 (50759503)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | レディオミクス / 治療抵抗性細胞 / 画像支援治療 / Radiomics / 再発予測 |
研究開始時の研究の概要 |
癌内部に治療感受性細胞と治療抵抗性細胞が混在する“細胞不均一性”が明らかにされている。不均一な癌に標準治療を実施した場合、抵抗性細胞は残存しやすく、再発や転移の発生、生存率に大きく影響するため、癌内部の抵抗性細胞の位置同定が重要である。近年、医用画像から癌の性質を評価できるレディオミクス(仮想生検)が注目されているが、従来法では癌の細胞不均一性しか評価できず、癌内部の抵抗性細胞の位置を同定できない欠点があった。本研究では、低酸素イメージング製剤を用いたPET画像や拡散強調MR画像などにより、抵抗性細胞の位置同定可能な新たな仮想生検を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、癌の個別化治療を実現するために、放射線治療抵抗性細胞を同定できる 新たな仮想生検を開発し、治療抵抗性細胞を含む不均一な癌への最適な治療法選択および適応を支援する、画像支援治療法を確立することである。 2023年度も公開データベースから取得した頭頸部扁平上皮癌患者の治療前CTやMR、PET画像への仮想生検(レディオミクス解析)に基づく再発予測モデルを開発を行った。これまでの画像特徴量に加え、トポロジー解析を応用した新たな手法を検討し、他者の先行研究における従来法(C-index=0.60)と比較し、高精度な(C-index=0.64)再発予測モデルを構築することができた。 また、公開データベースから取得した神経膠芽腫患者の低酸素イメージング製剤18F- FMISO-PET画像のレディオミクス解析により、神経膠芽腫の治療失敗予測や生存予測に有用な特徴量の検討を行った。低酸素(治療抵抗性)領域の特徴量の中から選択された予後予測のために重要な特徴量を用いた治療失敗予測では精度70%を超える特徴量は27個存在し、最大で74.1%の精度を示した。生存予測では予測に使用できうる365個の特徴量が明らかになった。なお、本成果は、第18回九州放射線医療技術学術大会で報告した。 2024年度はこれらの研究成果に基づき、FMISO-PET画像とCT画像や各種MR画像などとの特徴量の関連性を解明し、一般的に取得可能なCT画像やMR画像から治療抵抗性細胞を同定できる手法の開発に挑戦する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度、FMISO-PET画像とMR画像との関係性の初期調査まで着手する予定であったが、症例数が限られていたため、様々な解析を検討した結果として進捗に遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果に基づき、FMISO-PET画像とCT画像や各種MR画像などとの特徴量の関連性を解明し、一般的に取得可能なCT画像やMR画像から治療抵抗性細胞を同定できる手法の開発に挑戦する。
|