研究課題/領域番号 |
22K15809
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 (2023) 東京医科大学 (2022) |
研究代表者 |
岡田 幸法 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (80815811)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 小細胞肺がん / PET-CT / 画像診断 / 放射線治療 / 内分泌代謝 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞肺がん(主として限局期)における画像所見、採血所見の関連性を見出すとともに、予後との関連を検討することを目的とする。最初に小細胞肺がん(主として限局期)と診断され、化学放射線治療を施行した症例に対して後方視的な検討を行う。次に前方視的な検討として化学放射線治療を受ける症例において治療開始前、治療中、治療終了後上記項目の変化を測定治療効果や予後(全生存期間、無増悪生存期間)との対比を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は本研究課題に関して査読付き英文原著論文で報告を行うことができた。Springer nature社が出版しているEuropean Journal ofHybrid Imaging(現在はEJNMMI Reports、5年間のIF1.8) 2024年8:4に本研究者が筆頭で執筆した内容がAssociation between PET-CT accumulation in the hypothalamic/pituitary regions and neuron specific enolase/primary tumor in limited stage small cell lung cancer:a case controlled retrospective studyとして掲載された。研究の詳細はオープンジャーナルとしてhttps://doi.org/10.1186/s41824-024-00190-zに詳細が報告されている。 本研究結果に関して上記論文を元に概要を示す。東京医科大病院において小細胞肺がん限局期(LD)と診断された19症例(年齢70.1±8.8歳、13症例男性、6症例女性)においてPET-CTを用いて検討を行ったところ、NSEが基準値16.3以上の群では視床下部下垂体領域のSUVmaxが4.10、NSEが基準値16.3未満の群では視床下部下垂体領域のSUVmaxが2.95と統計学的に有意差を認めた(p=0.03)。視床下部下垂体領域のSUVmaxとNSEは相関係数r=0.458(p=0.0486)を認めた。ROC解析では視床下部下垂体領域のSUVmaxを3.10で切った場合NSEの基準値以上と基準値未満に関して感度0846、特異度0.833であった。また、視床下部下垂体領域のTLGと原発巣のTLGは相関係数r=0.53(p<0.01)、視床下部下垂体領域のTLGと全腫瘍のTLGは相関係数r=0.242(p=0.07)を示した。NSEと全腫瘍のTLGは相関係数r=0.59(p<0.01)、NSEとリンパ節転移のTLGは相関係数r=0.57(p<0.01)を示した。以上の結果より視床下部下垂体領域のブドウ糖代謝亢進は小細胞肺がんの活動性に関連していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は本研究課題に関して査読付き英文原著論文で報告を行うことができた。2024年に出版されたEuropean Journal ofHybrid Imaging(現在はEJNMMI Reports) に本研究代表者が筆頭で執筆した内容がAssociation between PET-CT accumulation in the hypothalamic/pituitary regions and neuron specific enolase/primary tumor in limited stage small cell lung cancer:a case controlled retrospective studyとして掲載された。研究の詳細はオープンジャーナルとしてhttps://doi.org/10.1186/s41824-024-00190-zに詳細が報告されている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は可能であれば別の後ろ向き研究に加え前向き臨床研究を行うことを予定している。特に小細胞肺がんの活動性にホルモンがどの程度関与しているかについても検討を行うことを考えている。他方、小細胞肺がん限局期の治療法に関しては放射線治療の術式について強度変調放射線治療を用いた54Gy/30回/15回が45Gy/30回/15日よりも生存期間を改善することがJiayi Yu先生らのグループから2023年にASCOやASTROで報告されており、前向き試験を行う場合にはこの新しい治療技術を反映したデザインを立案することを検討している。わが国では診療報酬の改定が2024年に限り4月から6月となり、この診療報酬の改定では強度変調放射線治療を6時間以上あけて照射する場合1日2回分の診療報酬を請求することができる。しかし、一般化するには時間もかかると思われるため前向き試験の時期については考慮が必要と考えられる。
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