研究課題/領域番号 |
22K15822
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小野田 農 金沢大学, 附属病院, 診療放射線技師 (00803628)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | MRエラストグラフィ / 再現性 / MRエラストグラフィー / 肝硬度 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓の硬さを測定することは、背景肝の状態を把握し予後予測や治療方針を決定するのに重要な役割を果たす。
肝臓の硬さは肝臓の線維化や炎症だけでなく、脂肪や鉄の沈着、門脈および肝静脈による血流、さらには、胆汁うっ血などの影響も受ける。MRエラストグラフィは肝線維化を非侵襲的に評価することができるが、MRエラストグラフィによる硬度測定は、肝硬度に関わる全ての要素を反映した値であり、それ単体では肝線維化の情報だけを抽出することは困難である。
本研究の目的は、肝臓の硬さに影響のある因子をMRIを用いて定量し、MRエラストグラフィによる剛性率にそれらの情報を反映させ、総合的肝硬度評価法を確立することである。
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研究実績の概要 |
2022年度診療報酬改定によって保険収載が可能となったMRエラストグラフィは肝線維化を非侵襲的かつ広範囲に定量的評価することが可能であり、臨床における使用頻度が向上している。肝臓の硬さを測定することは、背景肝の状態を把握し予後予測や治療方針を決定するのに重要な役割を果たすため、MRエラストグラフィの有用性は高い。 しかしながら、MRエラストグラフィによる肝臓の硬さは肝臓の線維化や炎症だけでなく、脂肪や鉄の沈着、門脈および肝静脈による血流など他の因子の影響を受けるため、MRエラストグラフィを用いて線維化の情報のみを描出することは困難である。また、MRエラストグラフィは施設間における標準値が異なるため、臨床で普及させるためには基準となる指標が必要とされている。
本年度はボランティアを対象として、MRエラストグラフィの再現性について検討した。振動を肝臓に伝えるドライバーの固定強度や中心からの距離、ドライバーの傾きや設置場所によって肝臓を通過する波の伝わり方が異なるため、その結果、肝の硬度が変化する。再現性を高めるためには、ドライバの中心に対象物を合わせ、体表に対して傾きが少ない状態でドライバーを強く固定し、位相のアンラッピングが生じない程度の振動強度で撮像することが重要である。
また、昨年判明したファントムの経年劣化に関しては、既存のMRエラストグラフィ用ファントムが基準ファントムとして代用できるかどうかを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度はボランティアを対象として、MRエラストグラフィの再現性について検討したが、サンプル数が少ないため、再度検討が必要である。 また、経年劣化が判明した標準ファントムの代替に関しては、既存のMRエラストグラフィ用ファントムが基準ファントムとして使用可能かどうか確認をしているところである。
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今後の研究の推進方策 |
既存のMRエラストグラフィ用ファントムが基準ファントムとして代用できるかどうかを他施設間で比較検討し、撮像条件を決定する。 また、ボランティアによる運動負荷や食事負荷による血流変化と肝硬度の関係および、臨床における肝硬度に影響を与える肝線維化以外の因子について評価を行っていく。
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