研究課題/領域番号 |
22K15843
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
棚橋 裕吉 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40724563)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Radiomics / 肝細胞癌 / 肝動脈化学塞栓療法 / 分子標的薬 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
慢性肝炎・肝硬変患者において肝細胞癌は重要な生命予後決定因子である。肝細胞癌の治療法としては手術、ラジオ波焼灼術、血管内治療、化学療法などがあり、病状に応じて治療法を選択する。しかし、治療法選択に苦慮する症例は多い。 昨今の画像診断技術の発展は遺伝情報を元にした病変の生物学的な形質を描出することを可能にした。Radiomicsとは画像に描出されている膨大な画像的特徴量を網羅的に解析し、治療効果・予後予測を行う方法であり、様々な悪性腫瘍においてその有用性が示されている。本研究ではRadiomicsを用いて肝細胞癌の治療効果予測モデルを開発し、治療法選択基準を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
令和4年度には自施設にてこれまでに肝動脈化学塞栓療法を施行した症例について、後方視的に術前のEOB造影MRI画像を用いてRadiomics解析を行い、治療効果予測に有用な画像的特徴量の抽出を行った。 研究対象は自施設にて肝細胞癌に対して肝動脈化学塞栓療法を施行した症例とし、このうち肝動脈化学塞栓療法前に別の治療が行われた症例と術前にEOB造影MRIが施行されていない症例は除外した。まず、肝動脈化学塞栓療法を施行した結節について術前のEOB造影MRI画像(肝動脈相、肝細胞相)を用いてRadiomics解析を行った。次に対象結節をmRECIST(modified Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)に則り、Response group(CR、PR)とNon-response group(SD、PD)に分類し、各グループにおいて画像的特徴量の比較検討を行い、治療効果予測に有用な画像的特徴量を抽出した。画像的特徴量の抽出にはLeast absolute shrinkage and selection operator (LASSO) binomial regression analysisを用いた。得られた画像的特徴量を用いたモデルによる治療効果予測の精度はAUCで0.839(肝動脈相のみ)、0.815(肝細胞相のみ)、0.837(肝動脈相と肝細胞相)であった。現在、最新の知見を元にRadiomics解析の条件修正・追加を行っている。今年度はこれらの解析結果から術前EOB造影MRI画像を用いたRadiomics解析による肝動脈化学塞栓療法の治療効果予測モデルを作成する予定である。また、同時に分子標的薬にて加療した肝細胞癌においても同様の解析手法を行い、分子標的薬の治療効果予測モデル作成を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度には術前のEOB造影MRI画像を用いて肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法の治療効果予測に有用な画像的特徴量の抽出を行った。今後はさらに詳細な検討を加えるとともに、同様の解析手法を用いて分子標的薬の治療効果予測モデルの作成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に行ったRadiomics解析に加えて、最新の知見を元にRadiomics解析条件の修正とさらに詳細なRadiomics解析の追加を行い、術前EOB造影MRI画像を用いたRadiomics解析による肝動脈化学塞栓療法の治療効果予測モデルを作成する予定である。また、同時に同様の解析手法を用いて、加療前EOB造影MRI画像を用いたRadiomics解析による分子標的薬の治療効果予測モデルの作成を目指す。
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