研究課題/領域番号 |
22K15849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
攝田 典悟 岩手医科大学, 医学部, 非常勤医師 (60908094)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | glymphatic system / CSF flow / amyloid β / アミロイドβ蛋白 / 脳脊髄液 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
脳主幹動脈狭窄・閉塞症に対する血行再建術においては、認知症の一因とされる脳内アミロイドβ沈着が、術前に比べ術後に低下することが、amyloid-PETによって明らかにされた。近年、脳脊髄液(cerebrospinal fluid: CSF)の流れ(CSF flow)と、脳内からのアミロイドβ排出機構との関連が報告され、上記のアミロイドβ沈着低下は、血行再建によるCSF flow正常化に伴うアミロイドβ排出機構改善が起因している可能性がある。そこで、本研究では、慢性脳虚血に対する血行再建術後のアミロイドβ沈着低下にCSF flow変化が関連しているかどうかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、超高磁場CSF flow評価法を用いた慢性虚血認知機能改善メカニズムの解明をテーマとした研究を行っている。近年、認知症の一因とされるアミロイドβ蛋白が、 脳主幹動脈狭窄・閉塞症に対する血行再建術後に低下することが明らかにされた。また、脳脊髄液の流れ(CSF flow)と脳内アミロイドβ蛋白排出機構との関連も報告されている。そこで、慢性脳虚血患者に対して血行再建術を行い、その術前後にて、1)CSF flowが変化するのか否か、2)CSF flowの変化量がアミロイドβ蛋白変化量と相関しているか否か、について明らかにすることとした。初年度である本年度は、『慢性脳虚血症例では、健常者に比べ、脳血流同様にCSF flowが低下(鬱滞)しており、血行再建術後にCSF flowが正常化する』という仮説に沿って、ヒト用7 Tesla MRI(7TMRI)の拡散強調像に基づくCSF flow イメージング法で取得されたデータ解析を実施し、1)健常者10例に比べ、慢性脳虚血症例20例のCSF flowは有意に低下していること、2)クモ膜下腔のCSF flowは他の領域に比べ穏やかであり、第4脳室などではCSF flowが激しいことが分かった。 本年、健常者10例のデータに関する論文を「Feasibility of Diffusion-weighted Imaging (DWI) for Assessing Cerebrospinal Fluid Dynamics: DWI-fluidography in the Brains of Healthy Subjects」というタイトルでMagnetic Resonance in Medical Sciencesに投稿し、掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者10例のデータの論文のrevisionなどに時間がかかり、慢性脳虚血症例の解析が遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
慢性虚血症例のデータを解析し、健常者と比較。論文投稿する予定である。
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