研究課題/領域番号 |
22K15860
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
恒田 雅人 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (60800753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | MR画像誘導即時適応放射線治療 / モンテカルロシミュレーション / 独立線量計算 / 呼吸性移動対策 / 腫瘍動態解析 / 3次元MR画像再構成 / 品質管理 / MR画像誘導放射線治療 / 動体解析 / MR画像 / 線量分布検証 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療では、技術進歩により理想的な治療計画を立案することが可能になった。また、最新技術であるMR画像誘導即時適応放射線治療では、治療直前に撮像されたMR画像を用いて、その場で即時的に治療計画の立案が可能であり、より高精度化が進んでいる。しかし、実際に治療計画通りに線量を処方できたのか確認する技術は存在しない。本研究では、治療中に視認できない体内で、目に見えない放射線を可視化する革新的な線量分布モニタリング技術を開発することで、このような現状を打開する。腫瘍や周辺正常臓器への線量付与を正確に評価することで難治がん克服、および更なる治療成績向上を目指す。
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研究実績の概要 |
当初の予定よりも多くの課題があったため、予定よりも進捗は遅れている。その詳細を項目ごと下記に示す。 モンテカルロシミュレーション:患者MR画像とDICOM-RTデータを開発したソフトウェアへ転送することで、線量計算の対象である患者体系(体輪郭および臓器、腫瘍の形状)と線量計算に必要な幾何学的構造(ガントリ角度や照射線量、照射野形状)といった情報をモンテカルロシミュレーションへ読み込み可能な状態で出力することに成功している。現在、対象を腎がんと肝臓がんとして、線量計算を実施している。しかし、使用している計算サーバーのCPUコア数が十分でなく、計算に長時間を要している。 治療中の腫瘍動態解析:MR画像誘導即時適応放射線治療中の患者体内における臓器の位置変化について動態解析を行っている。腫瘍の体内動態に対する呼吸性移動対策の正当性に関して基礎検討を行った。論文を投稿し、現在レビュー中である。 治療中の3次元MR画像の取得:治療中に取得されるサジタルおよびコロナル断面の2次元MR画像を入力し、deform vector fieldを介して3次元MR画像を出力する機械学習モデルの開発に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発が進むにつれて想定よりも多くの課題が発生した。まず、モンテカルロシミュレーションを実施するパソコンのCPUコア数が十分でなく、計算に長時間を要する点である。希望するCPUコア数を有する計算サーバーは高額であったため現在は大学が所有する共同利用の計算サーバーを使用する方針に変更した。こちらへ環境を構築している最中である。また、腫瘍の体内動態に対する呼吸性移動対策の正当性に関する基礎検討を行うために人体を模擬できるファントムを構築した。特殊な構造を持つため、ファントム作成に想定以上の予算を要した。 このため、各々の研究項目において前年度の目標まで到達していない。このことから進捗状況を「やや遅れている。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
モンテカルロシミュレーションに関しては、購入予定であったものよりもハイスペックな学内共同利用計算サーバーを利用するため、効率的にシミュレーションを実施することができると予想される。denoising処理には、wavelet変換ベースの処理を組み込む予定である。対象とする腎がんと肝臓がんの症例を対象として、商用放射線治療計画と線量分布を比較し、論文化を目指す。 治療中の腫瘍動態解析によって得られた腫瘍の位置および形状をシミュレーションに組み込むことで、で治療中の線量分布の推定へとつなげていく。
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