研究課題/領域番号 |
22K15870
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
田中 創大 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 主任研究員 (00826092)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 重粒子線CT画像 / 炭素線CT / ネオン線CT / 粒子線治療 / 粒子線CT / 飛程計算精度 |
研究開始時の研究の概要 |
現在のX線CT画像を用いた粒子線治療計画では、粒子線飛程計算で誤差が生じるため理想的なピンポイント治療ができておらず、粒子線治療の良さを生かしきれていない。問題解決のため、直接粒子線と物質の相互作用を画像化する技術として、最適核種を用いた高精度重粒子線CT画像取得法を開発する。モンテカルロシミュレーションと実験により画像取得法の検証と改善を行い、臨床に必要な空間分解能1 mm・画素値分解能1%の画質を持つ最適核種による重粒子線CT画像取得を目指す。その重粒子線CT画像を用いることで粒子線治療の線量集中性が向上することを定量的に示す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、重粒子線イメージングシステムを構築し、高画質化のために使用する核種を最適化し、臨床利用のための目標である空間分解能1 mm、画素値分解能1%の重粒子線CT画像取得であった。2022年度は、厚みをもったシンチレータとカメラを用いた重粒子線イメージング手法を確立し、炭素線及びネオン線を用いた実験を実施した。既に開発された陽子線イメージングの検出システムを踏襲する形で本検出システムは構築されたが、重粒子線特有の核破砕反応で生じる二次粒子による画像劣化は見られず、シンチレーションの光量と重粒子線の飛程の変換テーブルを用いることによって、二次元投影データとして重粒子線の飛程分布をカメラで取得することに成功した。得られた投影データから炭素線CT画像およびネオン線CT画像の取得に成功した。当初の予想通り、核種が重くなればなるほど、空間分解能が良い粒子線CT画像が取得できた。空間分解能の定量値については、今後Modulation Transfer Functionを計算することで得る予定である。しかし、ネオン線については、量子科学技術研究開発機構における加速器の性能から最大飛程が15 cm程度であり、人体の透過画像を取得するためには飛程が足りず、現実的にそのような加速器が実現可能かどうかと得られるネオン線CT画像の画質と有用性を検討していく。炭素線については、初期結果として頭頸部ファントムのCT画像取得に成功し、2 mm程度の骨構造を含めて構造を画像化することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に提出した計画に沿って研究開発は行われており、順調に研究開発が進んでいることから、現在までの研究開発の達成度はおおむね順調に進んでいると評価した。2022年度に計画していた重粒子線イメージング手法構築は順調に進み、当初2023年度に開始予定の実験まで実施することができ、予定より進んでいる。一方でシミュレーションにおける実験の模擬については、炭素線やネオン線の計算時間が非常にかかるため、予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、実験によって得られたさまざまな核種の重粒子線CTの結果の解析を進め、同時に重粒子線イメージング手法の改善を行う。またシミュレーションでの実験の模擬を早急に構築し、重粒子線イメージング手法の改善のために用いる。これまで得られた結果について、学会や論文でアウトプットを行う。
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