研究課題/領域番号 |
22K15875
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森田 亮 北海道大学, 大学病院, 助教 (30872626)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カテーテル選択 / Vascular IVR / AI / カテーテル選択支援AI |
研究開始時の研究の概要 |
カテーテルを用いた血管内治療では、治療前のCT画像で血管解剖を把握し、術者が経験を元に主観的に種々の形状のカテーテルの中から特定の形状のものを選択している。カテーテル挿入の成否に関する術前の予想と異なった場合は、標的血管への挿管ができず治療ができない。そこで、CT画像情報を用いた血管へのカテーテル挿入難易度解析を元に、カテーテル毎の標的血管への到達時間・成否を出力するAI判別器を作成し、治療前のCT画像から最適なカテーテル形状の客観的な選択を可能とするAIを開発し(AIに基づく客観的なカテーテル選択)、カテール選択支援AIを用いたVascular IVRを行う。
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研究実績の概要 |
カテール選択支援AIを開発する前段階として、確実に挿入可能な最適な先端形状のカテーテルを選択することを目的として、模擬訓練に基づくカテーテル選択の研究を行った。具体的にはIVR術前患者のCTデータを整備して簡易的にSTLへ抽出し、より短時間に3Dプリンターで超高精細3D血管模型を作製し、事前にカテーテル挿入等の 模擬訓練を行うことが可能な環境を整えた。 実際に複数の患者治療前に、この方法を用いて血管模型を作製し、模擬訓練を行い、それに基づくカテーテルを選択し、Vascular IVRを施行した。 この模擬訓練を用いると、事前に最適なカテーテル形状が把握できるため患者治療が完遂できた。また、比較的容易に血管模型が作製できるため、多くの患者症例への適応が可能であるという事が判明した。 また、2019年1月から2020年5月の期間に3D-CTAが撮像された腹部血管造影歴のない332症例から120症例をピックアップし、研究者3名が独立して、腹部動脈のVR画像を視覚的にCHAへのカテーテル挿入の視認性難易度(0.easy:診断カテーテル単独で総肝動脈まで挿入可能 /1.normal:診断カテーテルとワイヤーで総肝動脈まで挿入可能/2.difficult:診断カテーテルでは総肝動脈まで挿入不可能)に基づいて分類した。120例のうち、CHAへの挿入が2.difficultと3名が一致して判定した18例から、10例を選択し3Dプリンターで超高精細3D血管模型を作製し、カテーテル挿入実験を行い、成否・時間の記録を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血管模型を用いた標的血管へのカテーテル挿入難易度のAI解析を行う予定であった。具体的には、100例程度の患者CT画像情報に基づく超高精細3D血管模型を作製し、非透視下に標的血管へのカテーテル挿入実験を行い、到達時間・成否を教師データとし、画像分類CNNを用いたAI解析を行い、カテーテル挿入難易度(標的血管への到達時間の予測や成否)を判定可能なAIを開発することを目的としていた。現在は血管模型が30個にとどまっており、AI解析を完遂させるための教師データとしては不十分である。次年度はより正確なカテーテライゼーション難易度を反映した教師データとしての3Dプリンター造形物である患者の血管モデルの作成およびカテーテライゼーション実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、客観的な難易度を教師データとするため複数のIVR専門医により多数例の血管模型に対して、多数(多種類)のカテーテルを使い模擬訓練を実施し、時間と成否を記録し教師データとする。模擬訓練後に患者の治療が行われた場合には、同様にカテーテル毎の時間、成否の記録を残す予定である。
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