研究課題/領域番号 |
22K15881
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
成田 圭吾 広島大学, 病院(医), 助教 (50805629)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / MRI / 早期NASHの診断 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患はNAFLとNASHに分類されるが、NAFLの予後は健常人とほぼ同等である一方で、NASHは肝不全や原発性肝細胞癌の発生といった致命的な病態に陥る可能性があり、両者は鑑別されなければならない。NASHの確定診断は針生検による病理学的診断であるが、侵襲的な検査であるため、MR spectroscopy (MRS)を用いて脂肪成分の分析などによる早期NASHの診断を試みる。
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研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患は、脂肪沈着のみをきたす非アルコール性脂肪肝(Non-alcoholic fatty liver: NAFL) とこれに肝細胞障害や炎症、線維化を合併する非アルコール性脂肪性肝炎 (Non-alcoholic steatohepatitis: NASH)に分類される。NAFLの予後は健常人とほぼ同等である一方で、NASHは肝不全や原発性肝細胞癌の発生といった致命的な病態に陥る可能性があり、両者は鑑別されなければならない。NASHの確定診断は針生検による病理学的診断であるが、侵襲的な検査であるため、画像による非侵襲的な評価が望まれるが、特に肝線維化が軽度な早期NASHの診断は難しい。MR spectroscopy (MRS)は脂肪を含む生体内の化合物およびその量を非侵襲的に測定するMRIの撮像方法であり、脂肪を成分別に評価、さらに同時に脂肪以外の化合物の評価も可能である。本研究では、MRSを用いて脂肪成分の分析や脂肪以外の成分を評価することで、NAFLとNASHを鑑別できる成分を明らかにし、早期NASHの診断を試みることを目的とし、本研究を開始した。 まず肝に対し安定したMRSの撮影・解析ができる手法の確立をめざし研究を開始したが、MRSは解析時間が長い、安定したデータ収集が難しい、肝の一部しか評価できないなどの理由からMRSそのものではなく、全肝に対しMRSで得られる情報を評価できる手法の模索を始めた。具体的には研究協力者(西原崇氏、檜垣徹氏、中村優子氏)の協力を得ながら、全肝を対象にボクセル(デジタルデータの立体表現における最小の立法体の単位)毎の脂肪定量が可能なMultipoint Dixon法を改良し、それぞれの脂肪の成分や脂肪以外の成分の割合を算出できるような手法の開発に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定であったMRSでの検討を断念し、全肝に対しMRSで得られる情報の評価が期待できるMultipoint Dixon法の改良に取り組み始めたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在研究協力者の協力を得ながら、Multipoint Dixon法を改良し、それぞれの脂肪の成分や脂肪以外の成分の割合を算出できるか手法の確立・最適化を目指している。手法が確立できたら、まずはファントムで手法の精度を確認し、その上で臨床的有用性(NAFL、NASHの鑑別)の検討を開始する。またこのMultipoint Dixon法を改良した本手法は肝のみならず、他領域でも有用性がないか模索する。
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