研究課題/領域番号 |
22K15882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
吉田 和樹 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (20898168)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 心筋CTパーフュージョン / 虚血性心疾患 / 心臓CT / 冠動脈CT / 冠動脈疾患 / 心筋 CT perfusion / 狭心症 / 心筋虚血 / 循環器イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性心疾患の診断と治療方針の決定においては、冠動脈狭窄の評価と心筋虚血評価の両者が重要である。我々は複数時相(20-30心拍)を撮影する Dynamic 心筋 CT perfusion (CTP) を用いた心筋虚血評価法を考案し、世界に先駆けてその臨床的有用性を報告してきた。 しかし、被ばく線量が高いことが課題であった。本研究では、新たな画質向上技術である4- dimensional similarity filterを使用して1回線量の低下をはかるとともに、CTP の撮影回数を5分の1に減少させることにより、診断能を保ちながら、より低侵襲な心筋 CTP 撮影プロトコルの開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
<研究の目的> 虚血性心疾患の診断と治療方針の決定においては、冠動脈狭窄の評価と心筋虚血評価の両者が重要である。我々は複数時相(20-30心拍)を撮影 する Dynamic 心筋 CT perfusion (CTP) を用いた心筋虚血評価法を考案し、世界に先駆けてその臨床的有用性を報告してきた。しかし、多くの心時相の撮影を 必要とすることから、被ばく線量が高いことが問題となり、臨床普及には制限があった。本研究では、新たに開発された画質向上技術である4-dimensional similarity filter(4D-SF)を使用して1回線量の低下をはかるとともに、CTPの撮影回数を5分の1に減少させることにより、診断能を保ちながら、より低侵襲な心 筋 CTP撮影プロトコルの開発を目的とする。 <研究の方法及び結果> 前年度までの研究において、5回の低線量撮影を行い、ポストプロセッシングとして4D-SFを使用する低被ばくCTPプロトコルが妥当であること、Dynamic_CTPプロトコルより線量が低減可能であることが判明している。さらに、前年度にDynamic_CTPデータ(4D-SFなし)を解析することにより、低線量CTPの診断能は判明していたが、今年度はDynamic_CTPデータの診断能との比較を行い、低線量CTPプロトコルの診断能がDynamic_CTP(4D-SFあり)の診断能を上回ることを報告した(AUC 0.84 vs 0.71, p<0.05)。その結果をボストンで開催されたSCCT2023で報告したが、その際に、Dynamic_CTPデータ(4D-SF)ありの診断能との比較を行うように、明らかな冠血行再建術後の患者は新規の虚血患者と異なっている可能性もあり、Inclusion_Criteriaをより厳密にするようにしてはどうかとのアドバイスを学会で受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、SCCT2023で受けたアドバイスを基に、研究のbrush upを行なっている。1_患者群のうち、明らかな冠血行再建術既往のある患者を除外した上で、低線量CTPの診断能を解析している。2_Dynamic_CTPに関して(4D-SF)ありの診断能を検討している。3_侵襲的カテーテル検査に関して、QCA解析を行い、より正確な診断能の算出に努めるようにしている。このように、当初より解析が増加したこと、また、症例除外の必要により、統計処理を必要な症例数の蓄積に時間を要することとなったため、進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように、症例数の蓄積を行いながら、血行再建術の既往のない患者において、低線量CTPプロトコルとDynamic_CTP(4D-SFあり)との診断能の比較を、QCAを答えとして行う方針である。N=30前後集まれば、統計解析を行い、論文化を図る予定としている。
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