研究課題/領域番号 |
22K15891
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
宮川 真 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (60912532)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 放射線治療 / Computered Tomography / Deformable Registration / Deep Learning / Functional Imaging / CT肺換気機能イメージング / DIR |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌患者に対する放射線治療において、約30%の患者に放射線肺臓炎のような有害事象が生じる。そこで近年、肺内の高機能領域を避けて照射することで、有害事象を減らすことができる”肺換気機能イメージングを利用した放射線治療法”が期待されている。しかし、従来の肺換気機能イメージング手法において、実際の人の換気量との相関には大きな変動があることが近年の研究によって明らかになっているが、その変動に対する最適な手法はまだない。そこで本申請者は、このCT画像を用いた肺換気機能イメージングの問題点を改善し、さらに人体を模擬した肺換気機能を有する非剛体ファントムを用いて精度を担保した肺換気機能予測モデルを開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、機械学習を組み込んだ新しい肺換気機能予測モデルを開発することである。そして、2023年度の研究実施計画は肺換気機能予測モデルの改良である。本研究の最終的な肺換気機能予測モデルのゴールとして、肺換気機能画像作成に必要なインプットデータは、治療計画に利用するCT画像のみの利用を考えているため、インプットデータを減らしていく過程で、従来手法よりも精度が低い結果を出した場合は、換気機能予測モデルにおける機械学習パラメータを調整して、再度モデルの精度評価を行い、従来手法との比較を行う。この手順を繰り返しながら最終的にインプットデータを減らした上で精度を担保する。そこで、開発した肺換気機能予測モデルのプロトタイプをより精度の高いものにするために、①CTVI生成モデルのパラメータ調整、②CTVIに対するCT画像に含まれる量子ノイズの影響の定量化、③呼吸振幅調整機能を備えた非剛体肺胞ファントムの開発と呼吸変動がCTVIへ及ぼす影響の調査を中心に実施した。②についてはAAPM 65th Annual Meeting & Exhibitionにて報告し、論文投稿中である。また③については、ファントムの横隔膜駆動部を3段階に振幅を調整できるように改良し、その振幅の違いがCTVIに与える影響を定量的に評価している。予備実験では、呼吸振幅を最大振幅、最小振幅の2段階に設定し、CTVIの違いを評価した。この結果をAAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionで報告する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルの開発は予定通り順調に進んでいる。特に、部品不足が原因で納期の遅れや物価の向上による研究費の割り当てに対する対応について、できるだけ研究の進捗を妨げない程度に進めることができ、ファントムの改良も実施できた。そのファントム開発についてもアメリカで行われる医学物理学会にて報告予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に開発した肺換気機能予測モデルの精度評価に関する報告及び更なる精度向上に向けてモデルのパラメータ調整を進めていく予定である。さらに、呼吸による肺の移動量に対しての最適化をしていく上で必要であったファントムの改良を実施することができたので、その精度を確かめ、開発企業と連携しながら改良点を検討していく予定である。
|