研究課題/領域番号 |
22K15901
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
藤田 京志 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20805113)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 難治性てんかん / 体細胞変異 / 次世代シークエンス / 単一遺伝子疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
大頭症を認める多発奇形症候群の一部の患者群には原因遺伝子としてPI3K/AKTパスウェイに関連した遺伝子が報告されている。申請者らはこれまでにこれらの症候群の症例に加え大頭症を認める他の多発奇形症候群の症例に対し全エクソーム解析を実施し、生殖細胞系列・体細胞バリアントの解析を行ったが、約50%の症例においては原因となるバリアントが検出されていない。未解決症例に対し、様々な次世代シークエンス技術を駆使して、新規疾患原因遺伝子の同定を目指す。
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研究実績の概要 |
全エクソーム解析で原因となるバリアントが同定されていない16症例に対し、PI3K/AKTパスウェイの遺伝子のターゲットキャプチャーによるディープシークエンスを血液由来DNAを用いて実施した。平均の読み取り深度は1200xで0.5%以上のバリアントアレル頻度を検出対象とした。PI3K/AKTパスウェイは大頭症を認めるMegalencephaly-Polymicrogyria-Polydactyly-Hydrocephalus症候群、Megalencephaly-capillary malformation-polymicrogyria症候群の原因遺伝子が含まれており、また、これらの症候群では低頻度な体細胞バリアントが血液由来DNAにも認められる例も報告されている。現在候補バリアントについて検証を行っている。 申請時に全エクソームが解析中であった6例のうち、3例は原因バリアントを同定し、3例は未同定となった。原因バリアントを同定したうちの1症例はこれまでに報告の少ない遺伝子であったため、他施設に同遺伝子のバリアントを有する類似症例がいないか確認したところ、海外の研究機関に2症例集積されていたため、共同研究する事となった。同じ遺伝子のバリアントを有する症例を集積することにより、遺伝子に特有の臨床的特徴や経過を知る事が可能となる。 また、昨年度から大頭症を認める症例を新たに5症例集積し2症例は両親を含めた全エクソームを実施し原因となるバリアントを同定できなかった。そのうち1例は近親婚家系であるため、全ゲノム解析を用いてホモ接合領域に着目して解析を行っていく予定である。残りの3例は現在全エクソーム解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ターゲットキャプチャーが16症例解析中であり、また、全エクソーム解析で稀な遺伝子のバリアントを検出し、共同研究を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ターゲットキャプチャーによるディープシークエンスで候補バリアントが検出されない場合にはショートリードやロングリードの全ゲノム解析を順次実施していく。もし、新規の疾患原因遺伝子が検出された場合には論文や学会等で研究成果を報告する。また、新規症例に対してはこれまでと同様に全エクソーム解析から行う。
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