研究課題/領域番号 |
22K15903
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
下西 成人 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10905392)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 凝固第V因子 / 抗凝固機能 / 血栓症 / APC抵抗性 / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
FV Heavy鎖はAPCの開裂部位であり、FV異常に伴う血栓症の多くの報告がある。今回我々が報告した血栓症を発症したL鎖に変異を有するFV異常症と、野生型FVやこれまでに報告例の多いFV Leidenとの抗凝固機能の差異を比較し、FV L鎖における抗凝固機能を解明し、血栓症発症の機序解明を行う。また、FV欠乏・異常症が迅速判定可能な新規検査法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
液凝固第V因子(FV)は凝固、抗凝固の相反する機能を有する。それゆえにFV遺伝子の変異を病態として発症する先天性FV異常症は、出血傾向を呈する患者もいれば、血栓症を呈する患者も存在する。本研究では、血栓症を呈した患者さんの血栓傾向のスクリーニング法を開発すること、またFVの変異を導入した組み換えタンパク質を用いて、血栓が生じるメカニズムを解明するとこと、そして凝固第V因子の新たな機能の解明を行うことを目的としている。 まず、トロンボモジュリン添加凝固波形解析を用いて、Protein C (PC)経路異常を示す、つまり血栓傾向をしめすFV異常のスクリーニング法を開発した。トロンボモジュリンを添加すると凝固反応が抑制されるが、添加なしでは抑制効果は見られない。このトロンボモジュリンの有無における凝固反応の差を比較する。ここで、PC経路異常を示す、PC欠乏症、Protein S欠乏症、そしてAPC抵抗性を示すFVにおいては、その抑制効果がとぼしい。それゆえに、トロンボモジュリン添加の有無での凝固反応の差は小さくなる。この原理を用いて、トロンボモジュリン添加前後のパラメータ比のカットオフ値を0.5に設定したところ、APC抵抗性を示す、FVを検出することに成功した。この成果は2022年に論文化している。 また血栓を低したFV変異を有するFVを遺伝子組み換えによりHEK細胞を用いて発現し、精製を行った。組み換えFVを用いて、APC抵抗性を示すことを証明した。さらに、これらの変異はFVの軽鎖に存在するが、軽鎖の変異に特有の機能異常を証明した。この内容についても論文化している。現在、FVの有する抗凝固機能について解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにトロンボモジュリン添加凝固波形解析を用いて、Factor V/protein S/portein C経路異常の迅速判定法を開発し、すでに論文として報告している。また、血栓症を呈した凝固第V因子の遺伝子組み換えタンパク質を発現し、それを用いて、凝固第V因子の軽鎖の有する抗凝固機能を明らかにし、論文として報告している。
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今後の研究の推進方策 |
在まで当初計画した実験計画を概ね順調に進めており、引き続き研究を進めていく予定である。凝固第V因子の軽鎖(FV Lch)の単離を行う。抗凝固におよぼす機能の解明を進めていく。具体的には、単離されたFV Lchを全血に添加した後にトロンボエラストグラフィを用いて、凝固機能の差を比較する。さらに血漿レベルにおいても包括的凝固機能検査(トロンビン先生、凝固波形解析)により比較する。
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