研究課題/領域番号 |
22K15906
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
瀬尾 晃平 昭和大学, 医学部, 講師 (70791440)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 強出力集束超音波 / 先天性横隔膜ヘルニア / 胎児鏡下気管閉塞術 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性横隔膜ヘルニアへの胎児鏡下気管閉塞術(Fetoscopic Endoscopic Tracheal Occlusion: FETO)は高い予後改善効果を示した。FETOはバルーンで気道を閉塞し、肺成熟を促進する治療法である。しかし治療の特性上、出生前や直後に気道閉塞を解除する必要がある。我々は強出力集束超音波(High Intensity Focused Ultrasound: HIFU)を用い母体も胎児も穿刺せずに胎児治療を行える方法を開発した。本研究は、先天性横隔膜ヘルニアへのFETO治療後のバルーン除去に伴う問題点を解決する、母児双方に低侵襲な新規HIFU治療の開発を目的とした。
|
研究実績の概要 |
令和4年度はin vitro実験にて、1.エマルジョン化リモネンの最適化、2.高効率HIFU照射プロトコルの設定、3.焦点可視化プログラムの実装、4.安定性評価の4項目の検証を予定していた。 1.滅菌レベルを考慮した粒子径でのエマルジョンには制限があり、特殊な粒子径でなければHIFUにより破綻しないと、新たなエマルジョン生成方法を開発しなくてはいけなかった。しかし、滅菌レベルを考慮したエマルジョンでも十分にHIFUで破綻させ得ることが分かった。 2.HIFUによるエマルジョン化リモネン含有バルーンの破壊は、熱的作用によるものか、非熱的作用によるものなのかが不明であった。加熱波を使わずにトリガー照射のみのプロトコルでバルーンの破綻が得られたため、照射時間あたりの効率を高め、安全性が高い照射プロトコルを作成できることが判明した。 3.焦点可視化プログラムの実装は、照射機器を改良したことで可能となったが、あくまでもin vitroであり、生体内での精度に関してはまだ不明である。 4.世界的な物流の停滞により、エマルジョン化リモネン含有バルーンの精製のための材料の確保が困難であった。そのため、予定していた安定性試験のうち、苛酷試験、光安定性試験、加速試験、中間的試験が行えなかった。一方、長期安定性試験は問題なかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
世界的な物流の停滞による材料の確保に難渋したため、予定していた安定性試験のうち、苛酷試験、光安定性試験、加速試験、中間的試験が行えなかった。しかし、それ以外のin vitro実験は滞ることなく施行できた。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度に出来なかった苛酷試験、光安定性試験、加速試験、中間的試験をin vitroで行い、その結果をもって動物実験に移行する。 令和5年度に予定している研究は以下の通りである。長期胎内安定性試験として、エマルジョン化リモネン含有バルーンを留置後に観察を続け、時間経過に伴う変化を評価する。径の変化などを定期的に超音波検査にて行う。HIFU治療後の中長期的有害事象評価試験として、バルーン留置直後にHIFU照射を行い、バルーンを除去、娩出させず観察を続け、除去後の内容液による中長期的評価を行う。HIFU治療後の短期的有害事象評価試験として、バルーン留置2ヶ月後にHIFU照射しバルーンを除去、直後に娩出とし、短期的有害事象の評価を行う。HIFU治療後の短期的・長期的な組織学的気道障害の評価として、FETOバルーン挿入を行ったブタ胎仔の気道を切り出し、組織学的評価を行う。 以上の実験を年度内に予定通り行うことで、計画は推進可能であると考えている。
|