研究課題/領域番号 |
22K15907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
浅野 達雄 東京女子医科大学, 医学部, 博士研究員 (60708080)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 腎不全 / ストローマ細胞 / 慢性腎不全 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓は体内の老廃物を体外に排出する重要な臓器であり、慢性腎不全は全身の器官に影響する多彩な合併症を呈する。小児では免疫系が未熟である点や腎移植準備期間である点を考慮して、成人とは異なる視点での腎不全管理を要する。小児期の管理で問題となる免疫不全と造血障害は、代謝異常による組織微小環境の変化という共通の病態で説明できる可能性がある。本研究ではストローマ細胞を介した組織微小環境(骨髄およびリンパ節)の変化を腎不全マウスモデルを用いて解析し、合併症の機序解明に取り組む。並行して収集する小児慢性腎不全患者のデータと擦り合わせ、小児慢性腎不全合併症の治療法と予防法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
腎臓は体内の老廃物を体外に排出する重要な臓器であり、慢性腎不全は全身の器官に影響す る多彩な合併症を呈する。小児では免疫系が未熟である点や腎移植 準備期間である点を考慮 して、成人とは異なる視点での腎不全管理を要する。小児期の管理で問題となる免疫不全と造血障害は、代謝異常による組織微小環境 の変化という共通の病態で説明できる可能性があ る。近年、骨髄およびリンパ節におけるストローマ細胞の重要性が指摘されているが、腎不全などの全身性の 代謝異常との関連性に関しては報告に乏しい。本研究ではストローマ細胞 を介した組織微小環境(骨髄およびリンパ節)の変化を腎不全マウスモデルを用いて解 析し、 合併症の機序解明に取り組むことを計画した。代謝異常との関連を探究するために、公開されているヒト血清のメタボロームを再解析した。さらに腎不全時に上昇している代謝物、胎児骨のアポトーシスを促進することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アデニン投与腎不全マウスモデルをもちいて、腎不全に伴う代謝異常の影響をもっとも受けていると考えられた成長版軟骨のRNAseqを行った。その結果軟骨細胞において、アポトーシスが誘導されていることが示唆される所見が得られた。これは結果として骨髄間葉系細胞への分化が阻害されている可能性があり、造血への影響が示唆される。このように、これまで知られていなかった、腎不全による代謝異常が成長・造血の異常をきたしている機序をしめすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
Cre-loxP systemを用いてリンパ節ストローマ細胞特異的なconditional mouseを作製できる遺伝子改変マウスを作製中である。 CAR細胞は骨芽細胞・軟骨細胞・脂肪細胞への分化能を持つため以下の検証をする。(i)マウスのCAR細胞自己複製能・分化能を慢性腎不全マウス血清培養条件下 に 解析する。(ii) CAR細胞を慢性腎不全モデルマウスに移植し分化能を解析する。(iii)慢性腎不全マ ウス血清をゲル濾過クロマトグラフィー・イオン交換ク ロマトグラフィー等によって分画化し、CAR細 胞に添加して、分化に異常をもたらす分画を特定し、遺伝子変化をRNA-seqによって網羅的に解析 する。(i)- (iii)の解析によって原因尿毒症惹起物質と、尿毒症惹起物質の標的因子候補を選出する。 同様にリンパ節ストローマ細胞に対しても培養条件下に尿毒症惹起物 質の影響を検証する。
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