研究課題/領域番号 |
22K15914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 祐作 東北大学, 大学病院, 助教 (90930008)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | びまん性絨毛膜羊膜ヘモジデローシス(DCH) / 溶血血液 / びまん性絨毛膜羊膜ヘモジデローシス |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内で繰り返し出血が起こると、卵膜が障害されて脆弱化し、びまん性絨毛膜羊膜ヘモジデローシス(diffuse chorioamniotic hemosiderosis, 以下DCH)と呼ばれる。DCHでは流産や、早産、またこの早産児の多くが慢性肺疾患を罹患することが分かっていて、大変予後の悪い疾患である。しかし、病態を解析した基礎研究はなく、治療法もないのが現状である。本研究では妊娠ヒツジを用いてDCHモデルを作成し、病態解明を目指すと同時に、新規治療につなげることを目標とする。
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研究実績の概要 |
令和4年度はプロトコル1(母獣全血100mlを週に1回羊水中に注入する)を妊娠63日のヒツジへ開始(実験1)し、妊娠89日目で流産した。プロトコル1を再度妊娠84日のヒツジへ開始(実験2)し、妊娠105日に帝王切開にて胎仔を娩出させ、胎仔肺と卵膜など各臓器を検体として保管した。本検体には羊膜上皮細胞壊死、羊膜や肺胞組織へのマクロファージ浸潤のいずれも認めなかった。プロトコルを修正する必要があると考えた。 その後プロトコル2(母獣溶血血液100mlを週に1回羊水中へ注入する)を妊娠102日のヒツジへ開始(実験3、4)したところ、実験3の胎仔は開始前に子宮内胎仔死亡しており、実験4は妊娠106日で流産した。プロトコルの修正が必要と考えた。プロトコル3(母獣溶血血液20mlを週に2回羊水中へ注入する)を妊娠102日のヒツジへ開始(実験5、実験6)したところ、実験5はプロトコルを完遂して帝王切開ののちに臓器検体を保管した。実験6は5回目の穿刺のため経腹超音波を行なった際妊娠115日で子宮内胎児死亡していた。実験6では胎盤と卵膜の臓器検体を保管した。現在この実験5、6の病理学的評価を行っている。 他の実験系で介入されていない胎盤、卵膜を標本として用意し、ベルリンブルー陰性、8-OHdG染色陰性であることを確認した。8-OHdG染色に関しては染色方法について試行錯誤を要した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間で6頭の妊娠ヒツジを準備した。不幸なことに1頭の胎仔は実験開始前に亡くなっていたため、5頭の妊娠ヒツジに対して、実験結果を参考にしてプロトコルの修正を検討し、卵膜への傷害の強さや持続的暴露の必要性について改善を要した。病理学的に卵膜の傷害性を強く示すプロトコルを定め、人工的にDCHを作成することを目標とする。
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今後の研究の推進方策 |
DCHモデルを作成し、陰性対象群とDCH群の病理学的検討に加え、羊水中、胎仔肺や他臓器への傷害性の有無について検討する。
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