研究課題/領域番号 |
22K15915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
片山 紗乙莉 東北大学, 大学病院, 助教 (50812278)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | EVI1 / AML / 遺伝性血小板減少症 / 白血病 / 巨核球 |
研究開始時の研究の概要 |
3番染色体逆位・転座による急性骨髄性白血病ではEVI1高発現とGATA2のハプロ不全が協調して巨核球・血小板増多を伴う白血病を発症させる。この白血病のモデルマウスを活用してEVIとGATA2による巨核球造血のメカニズムについて解析する。またEVI1の標的遺伝子として報告のある遺伝性血小板減少症の新規原因遺伝子候補の遺伝子の機能解析を行い、EVI1による血小板造血との関連を調べること、新しい遺伝性血小板減少症の疾患概念を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
3番染色体逆位・転座による予後不良の急性骨髄性白血病(AML)は、転写因子をコードするEVI1遺伝子が高発現となり、血小板・巨核球の増多を伴うという特徴を示す。一方で、EVI1遺伝子の機能欠失変異は遺伝性血小板減少症の原因として知られ、EVI1遺伝子が巨核球造血に重要であることがわかっているが詳細なメカニズムは不明である。臨床検体を用いた遺伝性血小板減少症の原因遺伝子検索で新規の血小板減少症の原因遺伝子として遺伝子Aが候補にあがった。EVI1遺伝子高発現白血病において遺伝子Aの発現が上昇しているとの報告や遺伝子Aの発現が高いAMLは予後不良であるなどの報告があり、EVI1と遺伝子Aはともに血小板・巨核球造血とAML悪性化に重要な働きをしている。これらの背景をもとにEVI1による遺伝子Aの制御を中心として遺伝子Aの機能解析を行い、EVI1による巨核球・血小板造血メカニズムを明らかにすることおよび遺伝子Aによる遺伝性血小板減少症として新たな疾患概念を確立することが本研究の目的である。 この目的のためにまず今回同定した遺伝子Aの変異を有するモデルマウスの作製に着手した。現在、3ラインのF1マウスが得られている。今後、このモデルマウスでのEVI1、遺伝子Aの発現、機能解析に加えて、EVI1遺伝子高発現のモデルマウスである3q21q26との交配を行い、白血病の表現型がどのように変化するか、白血病における遺伝子Aの機能について解析を行なっていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は未診断の臨床検体を用いて、遺伝子Aに変異を有する2例目の検索についての解析を進めた。今回解析した65家系の臨床検体においては遺伝子A変異の2症例目は同定できなかった。遺伝子Aの遺伝性血小板減少症原因遺伝子としての証明には細胞、モデルマウスなどでの機能解析が必要である。遺伝子Aモデルマウスの樹立に時間を要したため、マウスでの解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
樹立した遺伝子A変異モデルマウスを用いて、遺伝子発現、巨核球分化、血小板産生について解析を行う。
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