研究課題/領域番号 |
22K15925
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大西 峻 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10614638)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | NEC / 短腸症候群 / 小児外科 / 中枢神経発達 / 新生児外科 / 拡散テンソル画像 / 腸内細菌叢 / 腸内フローラ異常 / 新生児外科疾患 / 新生児壊死性腸炎 / 腸内フローラ |
研究開始時の研究の概要 |
周産期医療の発達により新生児外科疾患の救命率は飛躍的に向上し、近年は神経学的予後が重要なアウトカムとして位置づけられる。腸内フローラ異常(dysbiosis)の是正が新生児外科疾患の急性期治療に有効であるとの知見は散見されるが、その長期的効果、特に中枢神経発達への影響は未知である。本研究では新生児壊死性腸炎モデルラットを用い、腸内フローラを治療ターゲットとして急性期治療効果を検討するだけでなく、拡散テンソルMRI画像を用いて中枢神経の発達を評価することで、長期的な神経学的予後を見据えた腸内フローラ制御・管理方法の開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では新生児外科疾患の代表である新生児壊死性腸炎(NEC)モデル動物を用いて、腸内フローラを治療ターゲットとして急性期治療効果を検討するだけでなく、拡散テンソルMRI画像を用いて中枢神経の発達を評価することで、長期的な神経学的予後を見据えた腸内フローラ制御・管理方法の開発を目的とする。 NECモデルでの研究に先立ち、短腸症候群・長期絶食中心静脈栄養ラットのモデルを用いて、腸内細菌叢の変化について評価した。我々の研究では、HGF(肝細胞増殖因子)の投与によって、短腸症候群・長期絶食中心静脈栄養ラットの腸内細菌叢の改善が見られた。同モデルにおいてHGFは腸管絨毛の順応促進や肝障害の抑制にも効果があり、投与された物質が直接的/間接的に腸内細菌叢を改善していることが示唆された。 NECモデルについても現在作成中であり、腸内細菌叢の評価を進めている。当研究グループで使用経験のあるGuar gumを投与することでNECモデルラットのdysbiosisに対する改善効果およびNECモデルの生存率や重症度改善への寄与を評価する。さらにMRI拡散協調画像 (DWI : diffusion weighted image) をもとにした拡散テンソル画像 (DTI : diffusion tensor image) を用いた脳の成熟度評価についても研究を進めていく方針である。急性期治療へより早期にフィードバックできる画期的評価法であり、腸内フローラを治療ターゲットとした、神経学的発達を見据えた新たな治療方法の開発につながると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
短腸症候群・長期絶食中心静脈栄養ラットのモデルでの検討に時間がかかっている。 NECモデルでの研究も開始しているため、引き続き研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
NECモデルについても現在作成中であり、腸内細菌叢の評価を進めている。Gua gumを投与することで腸内細菌叢が変化するか、またその影響によりNECモデルラットの重症度や生存率が変化するかを検討予定である。
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