研究課題/領域番号 |
22K15929
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 琢郎 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (70849819)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | リジン尿性蛋白不耐症 / 細胞内アミノ酸不均衡 / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
リジン尿性蛋白不耐症(LPI)はY+Lアミノ酸トランスポーターをコードするSLC7A7変異により二塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、オルニチン)の小腸での吸収障害、尿細管での再吸収障害に起因した先天性疾患である。日本では小児慢性特定疾患、指定難病である。肺胞蛋白症や血管内皮細胞障害による脳梗塞が予後を規定するが、希少疾患のため合併症の病態は不明である。LPI患者の末梢血単核球のアミノ酸構成を健常者と比較し、細胞のアミノ酸構成に不均衡があるかを検証する。また末梢血単核球から作成したiPS細胞を血管内皮細胞に分化誘導し、細胞のアミノ酸構成を健常者iPS由来血管内皮細胞と比較する。
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研究実績の概要 |
本研究は①末梢血単核球のアミノ酸構成と臨床所見の比較、②iPS細胞から分化誘導した血管内皮細胞の細胞機能評価を行うことを研究全体の予定としている. 本年度は①を中心に検討を行った.健常な若年成人3名とリジン尿性蛋白不耐症(LPI)患者3名(女性24歳,男性18歳,女性27歳)より末梢血単核球細胞を採取した.LPI患者3名のSLC7A7バリアントは全例c.1228C>Tであった.専用スピッツで単離した末梢血単核球細胞を用いて,細胞内アミノ濃度を健常人及びLPI患者を測定した.標準化した細胞内アミノ酸濃度の比較では二塩基性アミノ酸のうちリジン,アルギニンがLPI患者由来末梢血単核球で高値であった.二塩基性アミノ酸以外のアミノ酸でもバリン,プロリン,アラニン,システイン,グリシン,セリン,ヒスチジン,イソロイシン,スレオニン,グルタミンが高値であった. 非上皮細胞における細胞内アミノ酸濃度もLPIの病態を形成しているアミノ酸トランスポターのバリアントの影響を受けていることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究参加者からの同意取得,末梢血単核球取得のための来院がやや遅れたため,iPS細胞作成過程が予定よりも遅延した.しかし,当初目標としたiPS細胞樹立を京都大学iPS細胞研究所に委託注文は終了している.来年度はiPS細胞を用いた研究を行っていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
現在,患者由来iPS細胞の樹立が終了し,健常人由来iPS細胞も取得が終了している.今年度以降は細胞分化を行い,分化細胞の特性を解析していく予定である.
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