研究課題/領域番号 |
22K15940
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大幡 泰久 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20805460)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 骨形成不全症 |
研究開始時の研究の概要 |
骨形成不全症(OI)はI型コラーゲン異常に起因する骨脆弱性を示す先天性疾患である。本疾患において破骨細胞機能亢進が報告されており、骨脆弱性に寄与しているがその病態機構の詳細は不明である。申請者らはこれまでにモデルマウスを用いた研究から、OIではTLR4シグナル亢進とそれに伴うMIP1-αの過剰産生が破骨細胞機能亢進をもたらしている可能性を示す知見を得た。そこで本研究では過剰なMIP1-αがOI新規治療法の標的になるか評価するため、OIモデルマウスに抗MIP1-α抗体を投与し、治療効果を解析する。本研究は世界に先駆けてOI特異的破骨細胞機能亢進を標的とした新規治療法の開発につながる。
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研究実績の概要 |
骨形成不全症(OI)は主にⅠ型コラーゲン異常に起因する、骨脆弱性を主徴とする遺伝性骨系統疾患である。本疾患において破骨細胞機能亢進が報告されており、骨脆弱性の病態に寄与していると考えられるが、その病態機構の詳細は不明である。申請者らはこれまでにCOL1A2遺伝子にフレームシフト病的バリアントをホモ接合性に有した場合、骨脆弱性を認めるoimマウスにおける研究から、破骨細胞機能の亢進と、RNAseq網羅的解析により、破骨細胞機能亢進を惹起しうる候補分子の発現が増加していることを確認した。そこで本因子をoimマウス初代培養破骨細胞を用いて検出を試みたがELISAでは検出し得なかった。 これまでCOL1A2フレームシフトバリアントをホモ接合性に有するoimマウスを用いて実験を行っていたが、ヒトのOIではCOL1A1とCOL1A2のグリシン置換バリアントをヘテロ接合性に有する場合に重症型を取ることが知られている。そこで申請者らはヒトの重症型OI患者と同じ位置にグリシン置換を有する新規ノックインモデルマウス(KIマウス)を作出した。KIマウスの表現型解析を行ったところ、12週齢マウスにおいてμCTで第5腰椎の骨量低下、海綿骨厚低下、海綿骨数低下、骨密度の低下を確認した。また遠位大腿骨においても同様に骨量低下、海綿骨数の低下を確認した。次に骨強度を確認するため3点曲げ試験を行ったところ、最大荷重低下、骨折最大エネルギー低下を確認した。これらのマウスでは野生型マウスと比較して低体重ではあるが、自然発症の骨折は認めず、野生型マウスと同等に長期生存することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでCOL1A2のホモ接合性バリアントで骨脆弱性を呈するoimマウスによる解析を進めてきたが、今回実際の人の患者と同じバリアントを有するモデルマウスを作出し、そのマウスにおける表現型解析を行う必要があったため、研究の進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今回作出し骨形成不全症の病態を認めるKIマウスにおいて、oimマウスと同様に破骨細胞初代培養を行い、骨形成不全症における破骨細胞機能亢進の病態を、異なる二つのモデルマウスで検出することで、共通した病因を検討し、さらには遺伝学的異常に依存しない新規治療法の開発を進める。
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