研究課題/領域番号 |
22K15942
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
横山 浩己 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (80792754)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | LVSEM / 移植腎 / 抗体関連型拒絶反応 / ABMR / 低真空走査型電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
移植腎における抗体関連型拒絶反応(antibody-mediated rejection: ABMR)は、移植腎予後の最も重要な因子であり、早期診断と早期介入が有効である。本研究は、申請者のグループが開発した革新的な「低真空走査型電子顕微鏡(Low-vacuum scanning electron microscope: LVSEM)による腎生検診断法」により、病歴が判明している過去の移植腎症例の腎生検パラフィン切片を用いて、早期のAMBRに特有な超微形態変化を定量評価し、早期AMBRの診断基準として普遍化できるかを検討する。
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研究実績の概要 |
移植腎におけるABMRの新たな早期診断方法を確立するため、移植腎糸球体基底膜の二重化や、内皮細胞の超微細形態的変化を光顕およびLVSEMで観察した。標本は2000年1月~2010年12月までの間に鳥取大学で病理診断された移植腎生検標本(243人、358例)を対象として、保存されているパラフィン切片を使用し、光顕およびLVSEMで観察した。 移植腎PAM染色による糸球体基底膜のLVSEM観察で、先行研究よりさらに標本上の全ての糸球体に関して再観察、再評価を行った。 また、新規に移植腎白金ブルー染色により糸球体血管内皮細胞をLVSEMで観察した。また、同一患者の腎組織の連続切片を白金ブルーで染色し、ABMRの重要所見である糸球体の血管内皮細胞の腫大などの変化についての程度、頻度を評価した。糸球体内皮細胞の腫大や変形を念頭に観察と記録を行った。今後画像処理を利用して正常像とのサイズ比較等を予定している。またサイズや変形をもとにした早期診断への有用性を検討する。 さらに、移植時術中生検例(0-hr biopsy)を比較対照としてPAM染色および白金ブルー染色観察し、正常腎のデータとして観察、評価、記録を実施した。光顕や電顕と比較して歴史の浅いLVSEMによる腎病理評価では、正常像の確認も重要な知見であると考えて解析を続ける予定である。 観察データは移植腎におけるABMRの新たな早期診断方法を確立にむけて重要な知見である。今後画像解析やデータ解析により診断方法に関連する情報の定量化を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画から大きく外れること無く標本の観察、記録を行った。従来のPAM染色に加えて新たに白金ブルー染色を実施し標本の観察をおこなったが、想定外の問題は認めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
観察、記録した画像、データをもとに、ABMRと正常腎における超微形態の頻度、程度についてのデータを統計的に解析する。特に、糸球体基底膜の二重化や内皮細胞の腫大化の頻度や程度と診断の関連性を求める。内皮細胞については腫大の程度や頻度を画像解析ソフトを利用しながら統計学的に解析する。 糸球体のほかに、傍尿細管毛細血管基底膜の超微形態細変化の観察:早期ABMRで特徴的な変化を示すとされる傍尿細管毛細血管を観察し、基底膜の多層化や肥厚などの頻度程度を評価する。
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