研究課題/領域番号 |
22K15947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
井上 真紀 大分大学, 医学部, 講師 (20726913)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 乳児肝不全症候群1型 / LARS1 / 急性肝不全 / オートファジー / ゼブラフィッシュ / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
乳児肝不全症候群1型は乳児期に反復性の重症肝不全を来す致死的な疾患であり、感染などの発熱時に劇症化する。本研究では、その原因遺伝子であるLARS1がオートファジーに関与することに着目し、ヒトLARS1遺伝子点変異を導入したノックイン動物モデルを用いて各成長段階毎のオートファジーを評価し、乳児期に重症となる機序を解明する。また、発熱に関連する刺激を加えた肝組織をメタボローム解析を用いて解析し、発熱性疾患により劇症化する分子経路を明らかにすることで、乳児肝不全症候群1型の病態分子機構の全容解明を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、主にLARS1遺伝子変異ノックインゼブラフィッシュの解析を行った。LARS1遺伝子変異ノックインゼブラフィッシュは、肝臓の発生段階において肝臓の形態学的異常を呈しており、組織学的解析では同時期の肝臓に脂肪滴の蓄積を認めていた。オートファジーとの関連にいて検討したところ、オートファジー関連タンパク質であるLC3が肝臓内で集積しており、またオートファジー阻害薬であるバフィロマイシンで脂肪肝の改善を認めたことから、オートファジーの亢進が本疾患の発症に寄与していることが示唆された。LARS1遺伝子変異ノックインゼブラフィッシュについて、熱や炎症、小胞体によるストレスに対する反応の解析を行ったところ、小胞体ストレスに対する反応がWTと異なることを見出した。LARS1遺伝子変異ノックインマウスについては、経時的な発育状況を確認しており、生後早期にのみWTと比較して成長率が低下する時期があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本学動物施設の改修工事によりマウス実験の開始が遅れていたが、ノックインマウスの樹立がスムーズであったため全体の研究経過としては順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
LARS1遺伝子変異ノックインマウスにおいて成長率が低下する時期が特定できたため、今後はその時期における肝臓の組織学的解析やメタボローム解析を実施し、肝不全・肝臓脂肪滴蓄積を生じる分子機構を明らかにする。また、成長率が低下する時期の前後においても解析を行い、どのような機構の違いがあるのかを確認する。 その後、明らかになった病態に関連する分子を、LARS1遺伝子変異ノックインゼブラフィッシュにおいて阻害薬等を用いて解析し、表現型が回復するかどうかの実験を行う。
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