研究課題/領域番号 |
22K15952
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
弓削 康太郎 久留米大学, 医学部, 講師 (20624472)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レット症候群 / 睡眠障害 / 睡眠評価法 / グレリン / 治療メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
レット症候群(RTT)は、MeCP2遺伝子変異を主因とし、主に女児で発症する神経発達障害で、多様な神経症状を特徴とする。睡眠障害は、80%以上の患者で合併し、本人のQOL低下に加え、介護者の負担を増加させる問題である。 一方、胃腸管ペプチドホルモンであるグレリンは、脳では視床下部に発現し、神経調節因子としての働きや睡眠との関連も示されている。これまでにRTT患者に対するパイロット研究で、ジストニアや便秘、睡眠などの改善を認めており、現在、治療メカニズム解析に取り組んでいる。本研究は、RTTモデルマウスを用いて、RTTの睡眠障害に着目しグレリン作用メカニズムを解明することが目的である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はレット症候群(RTT)モデルマウスを利用してRTTの睡眠障害に対するグレリンの治療効果、メカニズムを解明することである。 RTTモデルマウスの明暗周期での活動量評価、覚醒睡眠評価、遺伝子発現評価により、RTTの睡眠障害は、サーカディアンリズム障害よりも睡眠構造異常、睡眠の断片化が病態の中心であることを確認、またその原因としてオレキシンレセプター遺伝子異常が関連するのではないかと仮説を立てることができている(第17回国際小児神経学会、第49回日本脳科学学会にて発表)。現在、脳内の睡眠・覚醒に関わる主な領域の解剖学的評価、また心拍変動解析による自律神経評価を実施し解析途中である。今後グレリン治療を行い、睡眠・覚醒病態への作用メカニズムを調査・解析する予定である。 またRTTモデルマウスでの睡眠評価がRTT患者の睡眠評価と相関するかを追加している。RTT患者の覚醒睡眠評価は非常に困難であるが、簡易な1チャンネル脳波計による評価を開始している。本デバイスによる評価のメリットは普段の睡眠環境において測定できること、また覚醒中も測定をできることなどが挙げられる。デメリットは睡眠構築のみの評価であり、それに影響を与えるてんかん、呼吸の異常、運動障害などは評価できないことが挙げられる。これまでに4名のRTT患者の測定を終了し解析を開始している。短時間の覚醒・睡眠を繰り返しており睡眠の断片化を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グレリン投与による睡眠への影響を証明するためのRTTモデルマウスにおける睡眠評価方法の確立は着実にできてきている。また追加評価方法としてRTT患者での睡眠構築評価も併せて進めている。おおむね順調に進んでいると自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
各研究協力者とミーティング、適切な指導を受けながら研究計画通りに進める予定である。
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