研究課題/領域番号 |
22K15960
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小川 光平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (20882781)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵癌 / ハイドロダイナミック法 / KRAS遺伝子 / 新規バイオマーカー / 膵癌モデル動物 / エクソソーム解析 / KRAS阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が独自開発したヒト膵癌モデル動物を用いて、経時的に得られる検体から、エクソソーム、タンパクおよび発現遺伝子を網羅歴に検証することで、より効率的な解析を可能にする。本研究が、膵癌治療における新規治療法の開発につながる、特異的なバイオマーカーの確立を可能にする基礎研究と考えられ、その観点からは非常に独創的である。最終的に、この研究結果によって膵癌におけるテーラーメード化した治療法の確立といった臨床応用へつながるとものと考えられる。
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研究実績の概要 |
本研究では膵癌モデル動物を用いて、経時的な血清学的スクリーニングや網羅的な遺伝子解析によるKRAS阻害剤の治療予測マーカーの確立を目的とした。 in vitroの実験系として、膵癌細胞株と正常膵管上皮細胞株の培養上清からのエクソソームを抽出してプロテオーム解析を進めている。まずは既存の膵癌関連マーカーとして報告されているEps8、EphA2、GPC-1などのエクソソームを重点的に解析しているが、現在のところ、両者において有意な差がみられる程の発現量の違いは認められていない。また新たな膵癌特異的に放出されているエクソソームやタンパクの同定も同時進行で解析中である。 またin vivoの実験系として、申請者らがこれまでに確立してきた野生型ラットの膵臓に対する膵癌関連遺伝子の遺伝子導入法により、ラット膵癌モデルを作出した。しかし、この遺伝子導入法による処置に伴い、死亡する個体も存在するため、現在は、より安全かつ安定的な遺伝子導入法のプロトコールを検証している。今後は、この膵臓選択的な遺伝子導入法のプロトコールが確立されることで、膵癌モデル動物を安定的に供給することが可能となり、本研究の一目的である進行した状態で診断されることの多かった予後不良の膵癌の、初期段階での遺伝子発現の網羅的検証、組織学的変化、周囲組織との関連などが解析可能となる。さらに癌の進行に伴う経時的な解析が、診断・治療のための血清マーカーの確立に直結する。 最終的には、in vitroとin vivoの実験系で選定した既存エクソソームや候補タンパクを比較検証することで、新規バイオマーカーとしての有効性を検証することが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitroの実験系はおおむね順調に進んでいると考える。しかし、in vivoの実験系、膵癌モデル動物の作出に難渋している。これは、膵臓選択的な遺伝子導入法による膵癌モデル動物の作出を行っているが、この遺伝子導入処置に伴い死亡してしまう個体もおり、実験を遂行していく上で、まだ必要頭数を安定確保できていないことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、安定した膵癌モデル動物数を確保するために、より安全な遺伝子導入法のプロトコールを検証している段階である。膵臓選択的な遺伝子導入法が確立されることで、膵癌組織を用いた遺伝子発現の網羅的検証、組織学的変化、周囲組織との関連などが解析可能となるり、癌の進行に伴う経時的な解析も行う事で、本研究の最終目的である膵癌の早期診断ならびに治療のための新規バイオマーカーの確立につなげることが可能となる。
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