研究課題/領域番号 |
22K15962
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆徳 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00827389)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / irAE / 薬物性肝障害 / 硬化性胆管炎 / マクロファージ / 肝障害 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor: ICI)による免疫関連有害事象(Immune-related adverse event: irAE)irAE肝障害について、発症患者における肝生検組織検体の遺伝子学的解析とともに、肝内マクロファージ浸潤と類洞内皮障害との関連に着目し、解析を行う。in vitroにてICI投与による免疫細胞の変化や肝細胞・類洞内皮細胞への影響を解析する。本研究ではirAE肝障害の病態生理を、臨床・基礎両面からアプローチ・解明し、irAE肝障害の発症・治療効果予測バイオマーカーを検索することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
令和5年度は、本研究課題の2年目に該当する。 1年目に引き続きICIによる肝障害(irAE肝障害)の臨床的特徴と肝生検組織における病理学的解析、またRNA seqのための検体収集を継続した。特にステロイド抵抗性として臨床的にも問題となっているICIによるirAE硬化性胆管炎(irSC)の特徴を、通常のICIによる肝障害と比較することでその臨床的特徴を明らかにしようと考えた。 これまでに進行がんに対してICIを使用した1,393例のうちICIによる肝障害(CTCAE v.5にてGrade 3以上) を発症した67例のうち、ICIによる胆管炎は8例であった。irSCでは症状として腹痛が多く、CRP・NLR(好中球リンパ球比)といった血中炎症反応が高いことが明らかとなり論文投稿を行なった(Invest New Drugs. 2023)。更に肝生検診断例における病理学的所見に関して、irSCと非irSC型のirAE肝障害を比較したが、CD3/CD8 T細胞浸潤を伴うspotty necrosisや肉芽腫、血管内皮障害に関しては共通の所見であり、両群で有意差は認めなかった。一方で病理学的胆管炎は、irSCでは全例で認めており、太い胆管レベルが傷害されるirSCにおいても肝生検診断による有用性が示された(論文投稿準備中)。 現在は、切除不能進行肝細胞癌患者に対するアテゾリズマブ・ベバシズマブ使用例の肝障害発症例におけるサイトカイン・ケモカインの変化にも着目して検討を進めている。最終年度において肝障害のメカニズム解析として、血中免疫動態と肝組織内の遺伝子発現解析を行い検討結果をまとめたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
元々予定していたRNAseqの解析においても順調に組織採取を行い解析できている。最終年度にはその結果をまとめたい。血清に関しても解析が終了したところであり、現在解析結果をまとめている。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度ではこれまでに収集した肝組織の網羅的遺伝子解析をを全て行いまとめる。血清マーカーに関してもirAE発症時と改善時において全てまとめてサイトカイン・ケモカイン測定を行う。得られた結果に関して、国内・国際学会にて発表する。
|