研究課題/領域番号 |
22K15964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹田 治彦 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (40647525)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ゲノム解析 / 肝発癌 / オミックス解析 / 全ゲノムシーケンス / 全ゲノム解析 / 次世代シーケンサー / 前癌病変 / マルチオミックス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
肝炎・肝硬変からの多段階肝発癌過程において、前癌病変や早期癌の遺伝学的特徴は十分に解析されていない。早期の段階でのキーとなる遺伝子異常が明らかになれば、癌の進行を抑制して、特に予後不良な進行肝癌の撲滅につながるものと期待できる。本研究では、まず臨床検体の多領域サンプリングに基づいた精査な全ゲノムシーケンスを行い、発癌の初期・進行期に獲得される遺伝子異常を特定する。さらに、遺伝子発現やDNAメチル化解析を合わせて、前癌病変の遺伝学的な特徴を包括的に解析する。また、細胞実験を通じて、臨床検体の系統樹解析から発癌の各段階で必要と考えられたキードライバー遺伝子変異の生物学的な意味合いを検証する。
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研究成果の概要 |
肝癌は極めて予後不良な悪性腫瘍であり、ゲノム異常に基づく個別化医療の実践が喫緊の課題である。本研究では、前癌病変を中心に多段階発癌の各段階の組織を精細に採取し、マルチオミックス解析を行い、発癌の極初期から多段階発癌の各過程に特徴的な遺伝子異常候補を抽出し、癌化・悪性化に関わるキードライバーを同定することを目的とした。肝癌の肝切除範囲に前癌病変と考えられる小結節が含まれる症例を対象として全ゲノム解析を施行し、様々なステージの肝癌のゲノムデータと比較した。一般に治療対象外とされる前癌病変にも進行癌と同様に様々なゲノム異常が蓄積しており、変異のパターンは発癌の初期と進行期で異なることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では一般的に治療対象前と考えられる早期の肝内結節および治療対象の肝細胞癌のゲノム異常を比較検討することで、初期および進行期に獲得されるゲノム異常を全ゲノムシーケンス解析にて明らかにした。多段階肝発癌の初期および進行期の遺伝子異常について全ゲノムレベルで解析することで、多段階肝発癌メカニズムの解明に寄与するとともに、ゲノム進化過程に基づいた分子標的治療の最適化につなげる基礎的知見を得たことから、将来的なゲノム医療の発展に寄与するものと考えられる。
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