研究課題/領域番号 |
22K15965
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
天野 孝広 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80836908)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 治療選択 / バイオマーカー / 糖タンパク質 / Cytometric Bead Array |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎もしくはクローン病)患者に対する新規治療薬として生物学的製剤や低分子化合物などの開発が進み、近年薬剤選択の幅が飛躍的に広がっている。しかし、その選択基準は未だ明確ではない。また、炎症性腸疾患の治療効果の評価方法として、内視鏡検査による腸管粘膜の治癒評価がゴールドスタンダードであるが、患者の負担も大きく、より低侵襲で有用なバイオマーカーが求められている。本研究では炎症性腸疾患患者においてリアルワールドでの薬剤選択状況を後方視的及び前方視的に調査し、新規薬剤の選択基準を明確にし、新規薬剤の選択に有用かつより低侵襲なバイオマーカーとなりうる糖タンパク質を探索する。
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研究成果の概要 |
大阪大学医学部附属病院及び関連施設にて、分子標的治療薬を開始した炎症性腸疾患患者を2019年1月から2023年3月まで登録した。登録された約500症例のうちインフリキシマブ・アダリムマブ・ウステキヌマブを開始した約200症例について寛解導入期に治療効果判定に有用である血清トラフ濃度を測定した。寛解導入期での血清トラフ濃度や治療効果に関わる因子を検証したところ、血清Leucine-rich alpha-2 glycoproteinが有用であり、分子標的治療薬の治療選択基準の一つになることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性腸疾患(IBD)に対する治療として、生物学的製剤や低分子化合物といった分子標的治療薬の開発が進んでおり、近年その治療選択肢の幅は飛躍的に広がっている。一方で、その選択基準は明確ではなく、バイオマーカーを用いた治療効果予測アルゴリズムの開発と個々のIBD患者の病態に応じた最適な治療選択方法の探索が求められている。今回の研究では血清Leucine-rich alpha-2 glycoproteinがその選択基準の一つになることが明確になり、IBD患者におけるQOL改善及び医療費削減につながる重要な学術的・社会的意義を有する。
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