研究課題/領域番号 |
22K15975
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
東森 啓 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (10807366)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | FOXF2 / 食道癌 / Wnt/βカテニン / 上皮間葉移行 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの癌腫同様、食道癌においても本経路の異常が報告されているが、その機序や癌病態における役割は不明な点が多い。近年我々は、転写因子FOXF2がβカテニン集積を制御することで胃癌抑制作用を有し、メチル化異常によるFOXF2発現低下が予後不良因子となることを見出した。本研究では、食道癌病態におけるFOXF2の発現低下とβカテニン集積の関係、環境因子によるFOXF2発現低下の機序及び癌進行との関係、βカテニン集積による上皮間葉移行と食道癌進展の関係について焦点を当て、食道癌の病態解明を目指す。本研究の成果は、FOXF2を標的とした新たな食道癌治療戦略の礎となることが期待される。
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研究実績の概要 |
昨年に続き、表在食道癌内視鏡的粘膜下層剥離術後のホルマリン検体および食道癌術後検体を用いてレーザーマイクロダイセクション法に癌近傍正常組織と癌組織でのFOXF2発現を検討した。抽出条件の検討により高品質のRNA抽出が可能であったが、症例数を増やしても、やはり癌近傍正常部と癌部での明らかなFOXF2発現の差は認めなかった。 また食道癌だけでなく膵臓癌超音波内視鏡下穿刺検体や十二指腸癌粘膜下層剥離術後のホルマリン検体を用いてFOXF2蛋白発現が低下傾向であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食道癌においてはFOXF2はメチル以外のエピジェネテッィクな機構により発現が制御されている可能性が示唆されたため、これら機序解明に時間を要しており、研究全体の進行計画に遅れが生じている。これらの理由から本研究の進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
エピジェネテッィクな制御機構としてメチル化の他、ヒストン修飾やmiRNAなどが存在する。それぞれの関与の有無やその寄与度を、食道癌細胞株を用いて評価する予定である。 また食道癌に対するFOXF2の機能解析を行う予定である。食道癌細胞株にFOXF2を過剰発現またはノックダウン処理を行うことで、細胞増殖能、浸潤能、アポトーシスあるいは増殖停止反応における本転写因子の役割を検討する。さらには、食道癌においてFOXF2がβカテニン集積や上皮間葉移行に関与するか否かを検討する予定である。
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