研究課題/領域番号 |
22K15976
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
小川 裕之 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (10833840)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 門脈圧亢進症 / 肝線維化 / Lenvatinib / 類洞毛細血管化 / 肝硬変 |
研究開始時の研究の概要 |
肝硬変における門脈圧亢進症(PH)の進行は患者の予後に大きく影響する。肝線維化の過程における毛細血管新生はPHおよび肝線維症の進行を悪化させることが報告されている。申請者は、Lenvatinibが、VEGFRやFGFR阻害作用を介して類洞毛細血管化を抑制することで、肝線維化の改善に寄与することを報告した。また、肝癌で使用されるより低用量でこの効果が示され、肝予備能も増悪させないことを明らかにしている。そこで本研究はLenvatinibによる毛細血管化抑制を介した門脈圧亢進に対する効果を胆管結紮ラット、四塩化炭素ラットモデルを用いて検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、tyrosine kinase inhibitorであるLenvatinib(Len)の門脈圧亢進症に対する効果について肝線維化モデルを用いて検証を行っている。 前年度までに、ラット肝硬変モデルにおいて、Lenが門脈圧低下とともに肝組織内の血流量増加を促す効果を示すことを明らかにした。Len投与群では肝組織中のエンドセリン発現は低下した一方で、血管抵抗を負に制御するCTH、DDAH1、GCH1の発現上昇とともにeNOS活性の 上昇を認めた。また、Len投与群ではCD34陽性の類洞毛細血管化が有意に抑制されており、VEGF、PDGFの産生も低下傾向を示した。 本年度は、Lenの肝類洞内皮細胞(LSEC)への作用について、ヒトLSEC細胞株(TNMK-1)と活性化肝星細胞株(LX-2)との共培養系を用いて検討した。LX-2との共培養で、TNMK-1におけるCD34、VCAM1発現が上昇し、capillarizationの誘導が示唆されたが、Lenの添加により抑制された。また、Lenの添加によりエンドセリン発現の低下とともにNO産生の増加が認められた。一方で、Lenの添加により、TNMK-1との共培養下でのLX-2におけるcGMP産生が有意に増加し、Lenによる肝星細胞のcontractionの抑制が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
仮説通りの結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
異なる肝硬変モデル(胆管結紮モデル)を用いて、Lenの効果を検証する。
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