研究課題/領域番号 |
22K15978
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
内田 志野 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (30838438)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 経皮感作 / 食物アレルギー / 抑制型受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギーは、食物抗原に対する特異的IgEの産生(感作)に起因する即時型アレルギーである。近年、食物アレルギーにおける経皮感作の重要性が指摘されているが、その制御メカニズムには謎が多い。これまでに、申請者は、腹腔感作による食物アレルギーにおいて、腸管マスト細胞の受容体CD300fが高親和性IgE受容体シグナルを抑制して消化器症状を抑えることを示した。他方、ミエロイド系細胞(特に、樹状細胞)に発現するCD300fは特定の経路による感作を制御する可能性が示唆された。そこで、「ミエロイド系細胞のCD300fは経皮感作による食物アレルギーを抑制する」と仮説を立て、本研究ではその立証を試みる。
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研究実績の概要 |
食物アレルギーは、食物抗原に対する特異的IgEの産生(感作)に起因する即時型アレルギーである。近年、食物アレルギーにおける経皮感作の重要性が指摘されているが、その制御メカニズムには謎が多い。本研究の目的は、「ミエロイド系細胞に発現する抑制型受容体CD300fが経皮感作による食物アレルギーを抑制する」という仮説を立証することである。野生型マウスとCD300f欠損マウスに対して、オボアルブミンとアラム(アジュバント)を腹腔投与して感作したとき、両者の血清OVA特異的IgE値に有意な差はなかった。また、両者の空腸マスト細胞数の増加などは共に認められなかった。次に、経胃管投与をすると、両マウスは食物アレルギー症状(下痢)を引き起こし、血清特異的OVA値と空腸マスト細胞の増加が確認された。このとき、CD300f欠損は下痢頻度・血清特異的OVA値・空腸マスト細胞数を有意に増加させた。一方、マウスを剃毛後、tape-strippingした腹部にOVAを塗布(1週間間隔で計6回)すると、皮膚の炎症(表皮・真皮の肥厚、炎症細胞浸潤)とともに血清OVA特異的IgE値の上昇が認められた。しかし、空腸のマスト細胞数の増加は確認されなかった。また、CD300f欠損は皮膚の炎症や血清OVA特異的IgE値の上昇を増幅する傾向が認められた。次に、経胃管投与をすると、両マウスは食物アレルギー症状(下痢)を引き起こし、血清特異的OVA値と空腸マスト細胞の増加が確認された。このモデルでも、CD300f欠損は下痢頻度・血清特異的OVA値・空腸マスト細胞数を有意に増加させた。従って、CD300fは腹腔感作及び経皮感作後の食物アレルギーを抑制することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経皮感作モデルにより、抑制型受容体CD300fが経皮感作後の食物アレルギーを抑えることが示されたので、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、細胞特異的CD300f欠損マウスも利用して経皮感作モデルを解析して、CD300fが経皮感作による食物アレルギーをどのように制御するかを明らかにする予定である。
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