研究課題/領域番号 |
22K15990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小島 雄一 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (30887625)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / バイオマーカー / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎は再燃と寛解を繰り返し、年々増加傾向にある原因不明の難治性腸疾患である。近年バイオ製剤をはじめとする新薬の登場により、治療成績は以前よりも大幅な改善が見られるものの、難治例に対する薬剤の使い分けは定まっておらず、主治医の経験や裁量に委ねられるところが大きいことから、薬剤を選択するうえで基準となる新たなマーカーが必要である。本研究では、新たなマーカーとして細胞外小胞に注目した。 潰瘍性大腸炎難治例に対する薬剤を選択するうえで基準となる細胞外小胞関連マーカーを探し出し、さらにマウスモデルとの相関性が確認できれば、将来的には薬剤を選択する順序も検証することができると考えている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ヒト潰瘍性大腸炎の難治例に対する薬剤を選択するうえで基準となる細胞外小胞関連マーカーを探し出すことである。 計画1 ヒト潰瘍性大腸炎患者の血清から抽出した細胞外小胞の解析:当院に通院中の潰瘍性大腸炎患者のうち難治例を対象とした研究であるため、難治例に相当する患者のリクルートを行った。重症度については、臨床活動度指標としてMayoスコアを評価し、下部消化管内視鏡検査では内視鏡的活動度分類としてMayoスコア、Matts分類を評価した。対象例に①カルシニューリン阻害薬、②抗TNFα抗体製剤、③JAK阻害薬、④抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤、⑤抗IL12/23抗体製剤を投与し、治療前後の血液採取を行った。 計画2 DSS腸炎モデルマウスの血清から抽出した細胞外小胞の解析:炎症性腸疾患モデルであるDextran sulfate sodium(DSS)腸炎マウスモデルの作成を確立した。C57BL/6の10-13週齢の雄のマウスを用いた。濃度2.5%のDSSを1週間自由飲水させ、その後は水道水を自由飲水させると、Disease Activity index(DAI)による評価では、1週間弱で炎症のピークに達しその後は緩やかに改善することがわかっている。今後はこの確立した腸炎モデルマウスから炎症状態に応じて経時的に採血を行う予定である。 次年度では、計画1,2で採取した血清から細胞外小胞を抽出し解析を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響があり、患者のリクルートをはじめ全体的に進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
患者およびDSS腸炎モデルマウスから採取した血清からEVSecond (Extracellular Vesicle Isolation by Size Exclusion Chromatography on Drip Column)を用いて細胞外小胞を抽出する。超遠心機は使用しないため、構造的ダメージが少なく効率的に細胞外小胞を抽出することができる。プロテオミクス解析やmiRNA解析を外部委託で行い、細胞外小胞関連マーカーの変化を解析する方針である。
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